約 2,079,064 件
https://w.atwiki.jp/higumix/pages/32.html
パチュリー ジャンル 富竹 関連サイトなど 富竹マスターとは (トミタケマスターとは) - ニコニコ大百科 関連タグ マイリスト 【ニコニコ動画】自作MAD曲 最新作 代表作 コメントはこちら とみ☆たけは今でも十分通用するハイクオリティなMADだったなあ -- 名無しさん (2009-06-07 00 39 17) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/596.html
パチュリー2 114 「何よ、また埋まったの?」 眠たそうな呆れたような目でその少女は言う。 そう、俺は埋まっていた。ちなみに、埋まる前は本の整理をしていた。 幻想郷広しと言えど、整理中の本の雪崩に巻き込まれるのなんて俺くらいのものだろう。 俺の名はやがて「雪崩に巻き込まれる程度の能力」の持ち主として幻想郷中に 「暫くそのままで良さそうね」 「はい下らない事考えてましたごめんなさい。 助けてパチュリー パチュリー助けて」 少女の名はパチュリー・ノーレッジ。外見こそ少女のそれだが、生粋の魔女にしてこの魔法図書館の主だ。 ―俺は元々幻想郷の外の人間だったが、まあ色々あって、この図書館で雑用っぽい事をしている。 「何回目だっけ?」 「はい。今日だけで3回埋まってますがどう見てもドジです。本当に」 「ドジね」 「ありがとうございました。」 何事も無かったかのように俺に背を向けて歩き出すパチュリー。スルーかよ、ノってくれよ。 「おいてかないでー」 あ、こっち向いた。 …そんな目で見んでも。 「はぁ…」 ため息こそつかれたが、彼女は俺の前まで戻ってきてくれた。 「手、出せる?」 「なんとか…って、魔法使わんの?」 「貴方の周りの本、殆どが魔道書よ」 「オチが見えたので手で引っ張り出して下さい」 「ん」 白く小さな両手が本の山から生えた俺の手を取る。 暖かく柔らかい。…そういやパチュリーの手に触れたのは初めてな気がする。 悲しくも外の世界で女性経験に恵まれなかった俺は、こんな事でも思考がテンパってしまうのだ。 「あー、あんまり無理せんでも。 誰か呼んで来てくれるだけでも良いし」 喘息持ちの彼女に無理はさせられない。 けど引っ張られている手に意識がいってしまい、何だかぎこちない言い方になってしまった。 「んー」 パチュリーは特に気にした様子も無く、ぐい、ぐい、と彼女なりに力を込めて俺の手を引っ張る。 やがて、いくらか動かせる程度まで腕を出す事ができた。 「オッケー。後は自力で出られそ…うおッ!?」 「っ!」 本日4度目のドジ。自由になった腕を急に動かした所為で、新たな本の雪崩を以下略。 まあ要するに――どう見てもドジでした。 まあ、俺の周りの本が崩れたお陰で抜け出せるには抜け出せたんだが まあその…前のめりに倒れこんだワケで、俺の目の前には彼女がいたワケで。 四つん這いになった俺の下に、彼女がいるワケだ。 「・・・」 普段はあまり表情を出さない彼女が、頬を染めて、僅かに潤んだその瞳を閉じ ――いや、今そんな表情されるとマズいから!色々と! 「どう見ても押し倒してます。本当にありがとうございました。」 …何とか誤魔化してみる。そうでもしないと気恥ずかしくて開花宣言しそうだった。 「そうね。どう見ても 押し倒してるわねえ」 頭上から聞こえる突然の声。 …頭上? 見上げてみる。 … 「ヤア!咲夜サン! こんな所で会うなんて奇遇ですネエ!」 アハハ 咲夜サン何て顔してんだよ それ人間がしていい表情じゃナイヨ咲夜サン咲夜サン咲夜s… ――― その日は 俺が幻想郷に来て以来 最も辛く長い 一日となった ─────────────────────────────────────────────────────────── 122 「……こりゃ、下は相当な有様ですよ」 紅に染められた館に、振動が響き渡る。 肌に感じるのは、常識外れの魔力の奔流。 「そんなことっ…けほっ…言ってる場合じゃ…!」 「駄目ですパチュリー様!まだ身体も魔力もボロボロなんですから!」 ベッドから起き上がろうとしたパチュリーさんを、小悪魔さんが制止する。 その強い剣幕に、彼女はジト目で睨み返していたが、やがてベッドに沈み込んだ。 紅魔館の地下には、レミリアさんの妹がいる。 全てを破壊しつくすと言われている吸血鬼、フランドール・スカーレット。 地下で続けられている激闘は、その妹さんが満月の影響で暴走したことに端を発する。 「レミィ……魔理沙……咲夜……」 シーツを握り締め、小さく漏らすパチュリーさん。 地下に向かったのは姉のレミリアさん、俺の師匠の魔理沙さん、メイド長の咲夜さん。 どう見積もっても、やり過ぎじゃないかと思ったこのメンバーが、小一時間も闘っている。 妹さんと俺はまだ面識はないが……パチュリーさんまで行こうとした以上、相当な相手なんだろう。 (……策はある。咲夜さんが無事なら…まだ) 闘いが長引くにつれて、不安が強くなっていく。 敗北の2文字なんて、どうしても当て嵌まらない3人でも、負けることがあるのだろうか……? ズゥゥゥン……。 一際大きい地響き。 それが、決着だったのだろうか。先程までの痛いくらいの魔力の波が、うっすらと引いた。 「うそ……」 「そ、そんな…」 2人もその変化を感じたのだろう。 様子からすると、負けたのは……。 「小悪魔さん。夜明けまで…いえ、月が沈むまで、あとどのくらいありますか?」 「え!?あ、そうですね…4時間といった所でしょうか」 4時間……か。まともに闘える時間じゃない。少なくとも、俺の主観時間では。 「……咲夜に地下室全体の時間をある程度止めてもらって、月が沈むまでの時間を稼ぐ。 地下室と外の時間の流れをずらし、少ない戦闘時間で持ちこたえる……といった所かしら?」 「パチュリーさん…気付いてたんですか?」 「けほけほっ…残ってる戦力は、私達と美鈴。 貴方が行く計画なら、全部読めてたことになるわね」 貴方が考えそうなことね、とも付け加えられた。 「しょ、正気ですか?」 「いやまぁ、俺に正気も狂気もあってないようなもんですけど」 驚く小悪魔さんに、軽口で返す。 幻想郷に来る前の自分だったら、絶対に自分から行こうだなんて思わなかった。 だから、狂ったと言われても仕方ないけど……変われたと信じたい。 「半人前の魔法使いに、妹様の相手が務まると思ってるの?」 床に伏せっているとはいえ、パチュリーさんの言葉には力がある。 知っているが故の、説得力。 「半人前って……これでも、4分の3くらいまでは行ってると思うんですけど。 小悪魔さん、探してほしい魔導書があるんですが……」 小悪魔さんにタイトルを伝えると、彼女は足早に図書館の方へと消えていった。 「4分の3でも、1人前には届かないわよ。 それに、無知は剣にはなっても盾にはならない。貴方は妹様を知らな過ぎる」 「盾なんて最初から持ってませんよ。俺は剣しか持ってませんし。やってみなけりゃ解りませんよ」 腰に下げた剣を見せて、笑いかける。彼女は呆れたのか、深々と溜息を漏らした。 「はぁ……何を言っても無駄みたいね。魔理沙以上に無茶するとは思わなかったわ」 「一点だけでも魔理沙さんを越えてるなら満足ですよ」 「……他には、図書館でのマナーくらいは褒めてあげるわ」 「そりゃ光栄ですね」 そこまで言うと、彼女は黙り込んで、そっぽを向いてしまった。 ……横になっている彼女の側には、大低小悪魔さんが付き添っている。 それが今はいない。俺が頼んだ訳だけど。 2人っきりでの――――沈黙。 本を読んでる時はそうでもないけど、互いに黙ってると……気まずい。 「……怒ってますか?」 「呆れてるだけ。 ……そういえばその剣、何処から持って来たのよ」 「魔理沙さんのコレクションからです。俺、接近戦の方が得意なんで。 バレたらマスタースパークで消し炭にされそうなんで、内緒にしてくださいね」 瞬間、彼女は物凄い勢いで向き直った。……直後に咳込んだけど。 「貴方ねぇ…壊したりしたら、本気でやりかねないわよ」 「…マジですか?」 「貴方の師匠なんでしょう。想像力が足りないわよ」 ……想像してみよう。 魔理沙さんが真っ正面から…いや正面に限らず、俺を狙ってあの魔砲をぶっ放して来たら……? 『お前の飛び方は丁寧過ぎて退屈だぜっ。 ま、その分狙いやすいんだがな。 恋符「マスタースパーク」!』 「何笑ってるのよ」 「あ~……今から会う妹さんより、魔理沙さんの方がよっぽど恐いだけです」 妖怪と弾幕りあったことはある。弾幕がどんなものかも、大体解る。 ただ、魔理沙さんの本気の弾幕だけは、見たことがない。 「原型…残ればいいなぁ」 「妹様には楽観的なのに、魔理沙には悲観的なのね」 「師匠なんで…はは、まいったな。 だったらいっそのこと、パチュリーさんの弟子にしてもらえませんか?」 苦笑いしながら、口に出してみる。帰って来た答えは…概ね予想通り。 「私が消し炭にされそうだし、お断りするわ。でも……」 「パチュリーさん…?」 そっと手が触れられた。少し冷たくて、白くて、綺麗な手。 「美鈴や咲夜に話を通してちゃんと入って来るなら、図書館に来るのは構わないわ」 彼女は、いつも本を読んでいる横顔からは想像出来ない、優しい表情で微笑んでいた。 「え、あ、そのっ……」 「貴方の言葉なら、魔理沙も本持ってくのを自重するかもしれないし。 ……何で赤くなってるのよ」 俺には……言えない。 側にいるだけで、触れ合えるだけで、満たされてしまうから。 この幸福を、俺の欲張りで壊したくないから。 「……何でも、ないですよ」 だから、その手を握り返すことで答える。 俺が出来るのは、きっとこれが精一杯……。 「あ、あの、お二人とも……」 「こ、小悪魔!?あなたいつから……っ!」 「いいい今先程来たばかりで何も見てません聞いてませんっ!! わわわわわ賢者の石なんか持ち出さないで下さい~! ごめんなさいお二人がいい雰囲気だったのでとても間に入れなくて……。 ってパチュリー様本気ですか私謝ったじゃないですかぁぁぁ~っ!?」 「問答無用! 火水木金土符『賢者の石』!」 「いやぁぁぁ~~っ!?」 あ~~……うん。 本気の弾幕って、このくらい苛烈なんだな。 避けられるように、俺も精進しないと。 「きゃぅっ!」 あ、小悪魔さん、また被弾してる。 この密度じゃ無理もないか。 ・ ・ ・ 「ごほごほっ……」 「ううぅ……私はただ、パチュリー様の笑顔が見ていたかっただけですのに……」 「じゃ、そろそろ妹さん止めてきますけど……大丈夫ですか?」 俺から見れば、2人とも大丈夫そうには見えない。 被弾しまくった小悪魔さんは、さながら咲夜さんにお仕置きされた美鈴さんみたいにボロボロ。 加害者のパチュリーさんも、元々体調を崩してた所でスペルカードを使ったためか、一層具合を悪くしている。 加えるなら、屋内でスペルカードを使ったためか、図書館の方まで結構な被害が行ってる。 小悪魔さん、結構逃げ回ってたからなぁ……。 「そうね……けほっ…。今更止めても行くんでしょ?」 「今なら、俺が時間稼ぎにならなくても、まだ美鈴さんがいますから」 こんな状態じゃなければ、看病していたかったけど、そうも言ってられない。 魔理沙さん達が先発なら、俺は中継ぎ、抑えは美鈴さん、ってトコか。 妹さんがとんでもない弾幕張ってたら、中継ぎどころか捨て石にもならないかもしれないけど。 「小悪魔さん、パチュリーさんを看てて下さいね。 ……後で、図書館の整理手伝いますから、元気出して下さい」 「……はい」 しょげている小悪魔さんを慰めると、俺は本を手に取り地下室に行くために立ち上が――― 「ちょっと待って…」 ――ろうとして、袖を掴まれた。パチュリーさんだ。 「本はちゃんと返してよね。その……貴方自身の手で」 ……言葉に詰まった。 伝えたい気持ちが、一気に強くなっていく。 剣を握る勇気はあっても…………それでも俺は、その境界を超えることは出来なかった。 「ありがとう……ございます」 だからせめて、それ以上自分の気持ちに嘘はつかないように、大事な人の手をぎゅっと握り返した。 「な、何がよ…?」 「何とか、最後まで戦えそうってコトですよ」 困惑している彼女の手を離し、笑いかけると、俺は図書館を後にした。 ―――図書館から出た俺は、辺りに誰もいないことを確認して、目を閉じてみた。 あの笑顔も、手の温もりも、彼女への想いも、ちゃんと心の中にある。 伝えることも叶わない想いでも、心の中にちゃんとあるなら、それはきっと力になるはず。 だからきっと、負けたって立ち上がれる。そんな気がする。 生を諦めかけた自分が、幻想郷での生活で立ち直れたみたいに。 「じゃ、行きますか」 目を開き、自分に対して呟く。 甘い時間はもう終わり。 ここから先は、勝負の時間。 4分の3の魔法使いが、お相手しましょう……。 「ごほごほっ…小悪魔。明日からでいいんだけど、探して欲しい薬があるの」 「あれ……喘息の薬、もう切れてましたか?」 「人の話は最後まで聞く。 見つかりづらいと思うから、永遠亭の薬師に話を聞いた方がいいかもね」 「はぁ。それで、何の薬を探せばよろしいんですか?」 「その………バカにつける薬」 「………あの、パチュリー様?誰が使うんですかそんなの」 「い、いいじゃないのそんなこと……あ、レミィ達には秘密でね」 ちょみっとだけ後書き……っていうかむしろ懺悔 一部始終をゆかりんが見てそうだw まさに、「スキマ様が見てる」 今回の話、そーとー前から妄想だけはあったんですが、スレ見つけるまではただの妄想で終わってました。 しかしスレ見つけて、書こうとしたらさあ大変。 書きたいことが多すぎる(妄想が過ぎます)。 全部書こうとしたら量がとんでもなくなる(文章能力的に許容量オーバー)。 そもそも全部書いてたらいつまでかかるか分からない(遅筆なんです)。 少なからずともパチュが泣く展開に(自分パチュ萌えなんです)。 とまあそんなこんなでレティが文になるくらい(失礼)内容削減。 結局こんなんなりました。合唱。 削減前の大筋は、 1.この後魔法剣でレーヴァテインとチャンバラ。 2.相打ち(魔力使いすぎが死因)で、三途の川へ。 3.色々と小町に諭されたり弄られたりで彼岸へ。 4.えーき様からお説教、色々あって白玉楼へ。 5.ゆゆ様に引っ張られてもう一度紅魔館へ……。 うん、絶対書ききれない。書かなくてよかった。自分じゃ質が保てない。 いや保つほどの質もないけど悪化しないよりはマシです。 プロポとは違いますし告白もありません。イチャついてもいません。 キスもなけりゃ抱擁もないです。きっと雰囲気違いますね、すみません。 ココアの甘さよりは、微糖のコーヒーみたいな。切なく苦いけど暖かい、みたいな。 手を繋いだだけの幸せでも大事なことを……あーもー言葉に出来ません。 本当にバカにつける薬が欲しいです。対象はもちろん自分自身。 もうこのまま長々と続きそうなんでここいらで止めときます。 1週間全力投球で書ききれただけで満足ですもん。 それでは読んで下さった皆様、 このスレを設け、盛り上げた全ての皆様に感謝申し上げます。 ありがとうございました。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 186 紅魔館の厨房の片隅で、包丁の音がリズミカルに響く。 パチュリーさんに料理を教えて欲しいと頼まれたのはつい先日の事だ。 図書館の雑用として配属された筈の俺だが、みょんなことで作ったパチュリーさんへ の食事を気に入られてしまってから、彼女専用のコックへと昇進(押し付け)と相成ったのだ。 まずは基本的な料理の作り方と食材の切り方等から教えていく。 千切り・微塵切り・短冊切り・十文字切り・天空剣Vの字切り── 何か間違っているような気もするが気にしない事にした。 彼女の可愛らしいエプロン姿── 真剣なジト目── つまりはパチェ萌(ry 一月も経過する頃には、彼女の奇行は紅魔館中の噂になっていた。 三度の食事や風呂より読書…であった以前からすると奇行と考えられるのも無理は無い。 「……パチュリーさん」 「何?」 「どうして、急に料理を学ぼうなんて気になったんです?」 ぎこちなさの残る彼女の手を制止させ、包丁の手本を見せる。 「……わからない?」少しの沈黙の後、声を小さく、だがはっきりと告げる。 「あなたが……好きだからよ」 刹那、左手に激痛が走る。 「うあっ!」思わず包丁を放り出す。 思いもかけない告白に動揺してしまったか、指に包丁がざっくりと入ってしまった。 反射的に水桶に手を入れる。水が瞬く間に紅に染まる。 「…! ちょっと待ってて…薬とか探してくるわ」 ──あなたが……好きだからよ 彼女が戻ってくるまでの間、その言葉が頭から離れなかった。 今まで女の子と縁など無かった。それなのに…。 ほどなくして彼女は薬やら包帯やらを持って戻ってくる。 青い色の液体が入った小瓶──これが究極幻想のボーションなる代物だろうか。宝箱の鍵を開けたりする薬ではなさそうだ。 「…手、見せて」 水から手を出す。激痛に思わず声を上げたくなる。 「止血の、魔法よ」 彼女はそう言うと、顔を近づけて俺の指をその小さな口に含む。 「ちゅ……ん……んぐっ」 顔を紅潮させながら指を柔らかく吸い、患部をそっと舐め上げる。ごくんと喉を鳴らして血を飲み込む。 「さっきの返事…してなかったな」 彼女の細い身体を引き寄せ、抱き締める。 「ん……」紅く汚れた小さい唇を塞ぐ。 初めて愛した女性の唇は、薬と血の味がした。 ****** 176を見てパチェに指パチュ…指チュパさせたくなった ─────────────────────────────────────────────────────────── 196 「フゥ…ようやく半分読み終えたか…」 「○○、独り言を声に出さないで」 「あ、すみません」 僕は今、紅魔館の図書館で読書をしている。 たまには本を読むのもいいかな?と思ってココに来てみたのだが… ちょっと声を出すたびにココの住人であるパチュリーに注意されてしまうのだ。 …まぁ、確かに図書館内では静かにしないといけないのが常識なのだが… 「○○?あなたの持っているその本…」 「ん?これがどうかした?」 「ああ、やっぱり。それって私の読みたかった本よ。返しなさい」 「え…でも今読んでる途中だしパチュリーも今違う本を…」 「いいから返しなさい」 「…ハイハイ」 まぁ、こんな感じで僕の持ってきた本は何故かパチュリーの読みたかった本であることが多く、奪われてしまうのだ。 「…さてと、ちょっと休憩」 「○○、休憩するなら紅茶を淹れて来て頂戴」 「ん、分かりました」 「それと、適当に本を持ってきて。あなたが選ぶ本は何故か私の読みたい本であることが多いから」 「ハイハイ…かしこまりました」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「淹れて来ましたよ。オレンジペコーですけどいいですか?」 「ええ、分かってるじゃない○○」 「ハハ…なんとなくですよ。で、いくつか本を持ってきましたが…」 「…あら、全部私の読みたかった本…」 「え…?ハハハ、なんつうかそのすごいですね…」 ちなみに僕の持ってきた本は10冊である …パチュリー、そんなに読みたい本があるのか… 「ねぇ…いくらなんでもおかしくない?」 「ん?何がですか?」 「何であなたは私の好みとか読みたい本が分かるのかしら?」 「え?いや、何ででしょうね?僕はただその場その場で決めてるだけですけど…」 「…研究の必要がありそうね」 「ハイ?」 あ、なんだか嫌な予感が… 「あ、その…僕帰ります」 「(ガシッ)逃がさないわよ…」 「え、ちょっとタンマ…」 「フフフ…しばらくココに泊まっていきなさい」 「い、いや…そんな迷惑ですよ…」 「あら、ココの図書館は少なくとも私が管理してるのよ。あなたが泊まるぐらいわけないわ」 「…まぢすか」 「フフフ…楽しみね…」 ああ母さん…たった今僕は人間から研究対象に格下げされました… 「…って、何で人の服脱がしているんですか!」 「研究するのに衣服はジャマなの。我慢しなさい」 「うう…恥ずかしい…」 「…どうでもいいけど立派ね」 「そんなに見ないでくださいよ!」 「研究するのに研究対象を観察しなくてどうするの?」 「ううう…なんでこんな目に…」 …パチュリーって一体… 「…って何やってんですか」 「何って…体温を測っているんだけど」 「いや、何で体温を測るのに抱きつかないといけないんですか!」 「体温計が無いのよ」 「…なんでそういう日常で必要なものが無いんですか…というかどうやって抱きついて体温測るんですか!?」 「人肌」 「…いや、そんな一言で言われましても…もう、好きにしてください…」 …五体満足で帰れるかな… というか、本当に家に帰れるかな… 「ってパチュリー、顔が近いんだが」 「よーく見る必要性があるのよ」 「いや、だからと言って近すぎ…んむっ!?」 え…なんでキスされてんの? 「ぷはぁっ…な、何をしてるんだよ!」 「唾液の採集」 「いや、だからそんな一言で片付けるなよ…ってかキスする必要性あるのか!?」 「人間の唾液を採取するにはこれが一番いいのよ」 「ウソダドンドコドーン」 「他にも方法はあるけど…面倒くさいのよね…」 「出来ればその方法でやって欲しかったよ…(ファーストキスだったんだぞ…)←小声」 「何か言ったかしら?」 「いいや、何も」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「さて次は…」 「まだあるのかよ…」 「ネタばらしね」 「は?」 「実は…今までの検査って何の意味も無いのよ」 「…えっ」 「研究するのには服を脱がす必要はないし、体温計はちゃんとある。そして唾液なんて最初から採集する必要性が無い」 「…嘘だろ…じゃあ…じゃあなんでこんなことをしたんだよ!」 パチュリーはいきなりそっぽを向いて言った 「あなたが…好きだから…」 「…はい?」 「あなたを愛してるから…だからこんなことをしたの」 「……」 「もう…逃がさないわよ」 そういうとパチュリーはいきなり呪文を唱え始めた すると図書館の戸の鍵が閉められていた。 「もう、私以外開けることは出来ない…」 「…そんな態度で示さなくても…良かったのに」 「いいのよ。これが私なりの愛情表現なの」 「やれやれ…」 「…ねぇ、あなたは私のことどう思ってるの?」 「どうって…好きじゃなかったらこんなことには付き合わないよ。…って言っても無理やりつき合わされたっぽかったけどね」 「…嬉しい」 「さてと、パチュリー?これからどうするんだい?」 「そうね…とりあえずは…」 そういってパチュリーは僕にキスをした。 先ほどとは違い、求めるような大人のキス。 僕もそれに精一杯答えた。 そして… 「パチュリー様ぁ…図書館から出れなくなって…」 「「あ…」」 「……」 「……ハハハ…よぉ、リトル」 小悪魔がいるのを忘れてた… ちなみに今はパチュリーが僕を押し倒し、僕はパチュリーの胸を触っている状態である… 「…し、失礼しました…ごゆっくり…」 「リトル…後で司書室に来なさい…」 「…パチュリー?何をする気だ?」 「決まっているでしょ、お仕置きよ」 「パ、パチュリー様!?」 「あなた、私たちの楽しみをジャマしたんだから当たり前よね…」 「い、いやぁ…」 「…ハハハ…こりゃまた……はぁ…」 はい、どう見てもネチョまで後一歩です。ありがとうございました。 なんつうかその…すみませんでした ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/611.html
パチュリー14 うpろだ1408 ある日の紅魔館の一室で、俺はメイド長と一緒にいた。 「しかしまたなんでこんなものを」 「お嬢様たちのおやつに作ったのよ」 目の前には小鉢に入れられたマロングラッセが数個。 「それを何で使用人が?」 「さあ、なんででしょう。何でだと思う?」 軽いクイズを出され、目の前にあるものをまじまじと見つめる。 小鉢の中は彩り豊かで、形も凹んでいたり穴が開いていたりと様々だ。 「ああ、不出来なのはお出しできないからですか」 「そういうこと。お嬢様や妹様のおやつになれるのは綺麗なものだけよ」 言いながら咲夜さんがフォークを渡してくる。 「後は味見と毒見ね」 お嬢様に毒なんて効かないんだけど、と言って咲夜さんは笑う。 それに釣られて俺も笑う。毒を混ぜたことがあるのかと戦々恐々としながら。 「いい感じに甘い……いやだいぶ甘い」 「少しシロップが濃かったのかしら?」 口に放り込むとパリと言う音と一緒に、栗の外の糖が割れる。 外の砂糖と共に栗の甘さも口に溶け出し、紅茶がないと少しつらい。 「まあ、これくらいなら許容範囲でしょ。お嬢様方は甘いもの好きだし」 そう言いながら咲夜さんは紅茶を口に含む。 すぐに口に含むあたり、やはり相当甘いと感じたのかも知れない。 「咲夜さーん、頼まれていた本持ってきましたー」 「ありがとう。そこのテーブルにでも置いておいて」 館内のことと図書館のことで多少話し合っていると、小悪魔がやってきた。 数冊の革表紙の本をテーブルに置くとこちらにさらに近寄ってくる。 「おいしそうなの食べてますねえ」 「心配しないでも後でパチュリー様の分と一緒に持っていかせるわよ」 どうやら関心があったのは今日のおやつだったようで、自分の分もあると判ると歓声を上げている。 「お味はどうなんです?」 小悪魔が期待するような目でこちらを見る。 咲夜さんは我関せずといった体でやはりこちらを見ている。 ため息をつきながら小悪魔の口の中に栗をひとつ放り込む。 すると満面の笑みを浮かべながら小悪魔はそれを咀嚼し、口直しに俺の紅茶を少し飲むと礼を言って出ていった。 「あなたも大変ね」 こちらもため息混じりに咲夜さんが言う。 俺は何も言わずに紅茶を口に流し込んだ。 「パチュリー様、三時の紅茶とお茶受けです」 図書館に紅茶とお茶菓子を運ぶのは日々の日課だ。 妖精メイドが粗相をしては面倒だし、メイド長はお嬢様方の世話をしているのだから、当然とも言える。 「今日のお菓子はマロングラッセです」 テーブルにポットなどを並べながら言う。 普段なら最低限本から目を離しこちらに目をやるのだが、今日に限ってはぷいと向こうを向いたままだ。 それを特に気にせず砂糖壷を掴み何杯入れるかを聞くが、やはり返事は無い。 「パチュリー様、どうしました?」 返事は無い。どうにも機嫌が悪いようだ。 「なあ、今日何かあった? 白黒の来襲とか」 「いいえ、今日は誰も来客はありません」 不満の原因を探るべく、そこらを歩いていた小悪魔を捕まえて尋ねる。 「じゃあ、何か今日のおやつでパチュリー様に言った?」 そう問いかけるとすぐに返事が返ってきた。 「ええ、ひとつ食べさせてもらいましたが、甘くておいしかったですよ、って」 言動に何も不審な点は見当たらない。 「それ以外には?」 「特に何も。あとは咲夜さんの部屋に行ったらあなたが居た、ってことくらいでしょうか」 「確かに特に何も無いなあ。なら、不満の原因は別のところに……」 ここでハタと気付く。さっき小悪魔はなんて言っていた? 「もらったじゃなくて、食べさせてもらった?」 「ええ、そうです」 小悪魔が小悪魔らしい笑みを浮かべる。 「それで機嫌が悪いのか」 「パチュリー様にもおんなじことをして差し上げないと、きっと機嫌は直らないでしょうね」 「だろうね」 頭を抱えながら振り返るとパチュリーが見ていた。 「パチュリー様どうぞ」 フォークに一粒栗を突き刺し、口の前に差し出す。 しかし一瞥しただけで、またそっぽを向いてしまう 「小悪魔と同じようにしてくれないと食べないわ」 パチュリーが小さな声出つぶやく。 小悪魔の方へ向き直ると、やはり笑いながらこっちを見ていた。 フォークを置いて小悪魔に近寄ると、小悪魔は抑えてと言う風なジェスチャーをする。 「パチュリー様になんて言ったんだ?」 声を押さえ気味に、つまりは怒りを隠すように言う。 「食べさせてもらったって言っただけですよ」 小悪魔は笑いながら答える。 「じゃあ、どういう風に食べさせてもらったって言ったんだ?」 また尋ねる。小悪魔はやはり笑いながら言う。 「聞きたいですか?」 その笑みからおよそどう言ったのかがわかる。 「いや、やっぱいいや」 「指でつまんで、優しく口の中に入れてもらって、指についた砂糖は綺麗に舐めて……」 「だからいいって言ってるだろうに」 全く口移しといわなかっただけまだましとはいえ、この悪戯娘には本当に困る。 「この悪魔め」 「いいえ、小悪魔です」 小悪魔は平然とした顔で返してきた。 「ほら、早く戻らないとパチュリー様怒っていますよ」 振り返ると、こちらを凝視しているパチュリーと目が合う。 彼女は目を逸らそうともせず、ただこちらを睨め付けていた。 「パチュリー様お口開けてください」 栗を一粒つかんで、子供をあやすように言うと、パチュリーは少し見た後、口を開けた。 開けた口の中に、恐る恐るといった体で栗を入れていく。 何分少ししか口を開けないし、一粒入るとも思えないので、適当なところで噛み切らせないと息を詰まらせてしまうだろう。 ティーカップを見ると量も色も変わっているので、こちらには手をつけているらしい。 二口目で一粒全部を食べ終えると、パチュリーはカップに手を伸ばし一口二口紅茶を飲んだ。 その間に指を拭いてしまいたかったのだが、パチュリーの空いたほうの手で抑えられているのでそれが出来ない。 振り解こうと思えば、それは容易く出来るのだがそうしてしまうわけにはいかなかろう。 紅茶を飲み終えると、パチュリーは親指と人差し指を順繰りに口に含み、指についた砂糖を舐めとっていった。 こそばゆい上に噛まれるかも判らないので怖いのだが、言っても止めてはくれないだろう。これは意地のようなものだ。 考え事をしていると、袖を引っ張られ次の催促をされた。 テーブルの上においた腕を動かし二粒目を摘みあげようとする。 とここで気付いた。卓の上に肘を乗せるのは、いかにも行儀が悪い。 皿に伸ばした手を引っ込め、椅子から立ち上がる。 「こっちの方が食べさせやすい」 顔に疑問符を浮かべるパチュリーを持ち上げると、彼女の座っていた椅子に座る。 抱えていたパチュリーを膝の上に座らせると、二粒目を手にとり口元に近づけていく。 空いた左手で頭を撫でてやると、パチュリーは気持ちよさそうに目を細めた。 半分をかじると、パチュリーが小声で言ってきた。 「今日の仕事はもう終わりにしていいわ。だからパチェって呼んで」 早上がりは度々あったが、今日は特に早い。 「はいな、パチェ。紅茶のお代わりは?」 「いいえ、まだいいわ」 二粒目の残りを口中においてやり、言う。 仕事が終わった途端にフランクになるのは仕方が無い。こういう性分だ。 「それよりあなたも一つどう?」 「いや、俺はさっき味見したしいいよ」 「そう? これもおいしいわよ」 咲夜のことだから歪んだのしか出していないでしょうと、言いながら一粒手にとる。 それを口に半分咥え、差し出すように顔をこちらに向けて突き出した。 顔を真っ赤にしている様をじっと見てやろうかという悪戯心もでたが、やめておく。 せっかく直してくれた機嫌をこんなことで損ね、天国を失うわけにはいかない。 ゆっくりパチェの口に顔を近づけ、栗を攫う振りをしてパチェの舌を攫った。 ちなみに妙をした小悪魔の分は没収しようとしたが、いつの間にかすべて平らげられていた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1491 「ふぅ、此処の冬は寒いなぁ」 真っ暗な廊下を蝋燭の明かりを頼りに歩いた 外は雪が降っているようだ、暗いので良くわからないが 吐く息が白くなる、窓は風でがたがたと音を立てている 「ん?」 咳き込むような、声のような 少し先の部屋から明かりが漏れていた 部屋の中をのぞいてみる 誰も居ない? いや、背中を丸めて小さくなっている、誰かが 「大丈夫ですか?」 少女は声に振り向き、辛そうな顔を見せた 「貴方は確か・・・」 「○○です、先週から此処でお世話になってます」 少女、たしかパチュリーとか言う魔女の人だったと思う 「パチュリー様、苦しそうですが」 「ただの喘息よ、寒いとね」 喘息か、なるほど 俺はパチュリー様にしばし待つように言って、厨房に向かった 「お待たせしました」 お盆に魔法瓶やら何やらのせて部屋に戻った 彼女は相変わらず苦しそうだ 「それは?」 「お茶です、あったかいの」 「ありがと・・・」 「沢山飲んでください、その方が良い、それと・・・」 俺は自分のポケットからあるものを取り出した 「・・・なにそれ?」 「喘息の吸入器ですよ、此処をこうすると―」 彼はそれから背中さすったり新しくお茶を入れてくれたりと、私を看病してくれた 「・・・ありがと、だいぶ良いわ」 「みたいですね・・・じゃあ俺はこれ片付けて見回りに戻ります」 そういって部屋を出ようとする彼 私はそれを呼び止めた 「○○・・・ありがとう、助かったわ」 「・・・苦しいときは何時でも呼んでください、少しなら力になれるかもしれません」 彼は、一応置いて行きます、と言ってさっきの薬を置いていった 「・・・○○か」 その晩、私はゆっくりと眠る事ができたらしい、気がついたらお昼過ぎだった しかもちょうど起きたときに、彼が居たのだ 「あ、おはようございます」 「○○?おはよう・・・」 何で彼がいるのだろう、まずその疑問が頭に浮かんだ 「いえ、心配だったので何度か見に来たんですが、ぐっすり眠ってらっしゃったので安心しました」 そう答える彼、つまり眠ってないのでは?しかし疲れた様子もなく、微笑んでいた 「あ、パチュリー様、おはようございます」 廊下を歩いていると咲夜に会った 「ご機嫌ですねパチュリー様」 自分でも良くわかる、今私は機嫌がいい 「ええ、好い事があったの」 「それは良かったですね・・・それで何があったんですか?」 「秘密よ・・・それより、レミィは部屋にいる?」 「はい、いま紅茶をお持ちしたのでまだいらっしゃるかと」 咲夜に礼を言って、レミィの部屋まで足を運ぶ事にした 部屋の前に立ったとき、ちょうどドアが開き、レミィが出てきた 「あ、パチュりー、ちょうど良かったわ、今からお茶するんだけど一人じゃ寂しいから、付き合って」 「良いわ、ちょうど貴女に話があったの」 それで話は?彼女の視線がそういっていた レミィはおそらく茶会に相応しい暇を潰せる話を求めたのだろうが 残念ながら渡しにその手の話のボキャブラリーは存在しない 「○○っているじゃない」 「ええ、いるけど・・・彼が何か?」 「彼、私に頂戴」 レミィは少しだけ考えていた そして 「いいけど・・・頂戴って言われると急に惜しくなるわね」 「ふふ、そんなものよ、なくなるからこそ愛おしいんじゃない」 「・・・それで、なんで彼?」 当然の質問だ、昨日の晩まで彼とは話した事などなかった そう、一目ぼれだ いやちょっと違う、だが、弱っているときは、やさしさが沁みるのだ 「気に入ったのよ、彼が」 レミィは何か納得したようで ニヤニヤしながら紅茶を飲んでいた 「なによ、気味悪いわね」 「いや、だって貴女が・・・一個人を、しかもただの人間を気に入るなんて、珍しい」 私だって元人間だ、そういう感情を持ったりもする だがレミィは違う、彼女は生まれついての、化け物なのだ、しかし・・・ さて、お茶もなくなったし、図書館に戻ろうか 「それじゃあレミィ、私は図書館に行くわ」 「そう、それじゃあ○○には私から伝えておくわ」 「レミィ、貴女にもいつか・・・素敵な出会いがあるわよ」 「なに、それわけ解んないわ」 「だってここは幻想郷よ?何が起こっても不思議はないわ」 だって私でさえ、こんな少女のような恋心を持つぐらいだ 「ふぅん・・・じゃあそれを楽しみにしてるわ」 私はそれを聞いて、扉を閉じた 私は彼をもっと好きになりたい そして彼には私を好きになってほしい まぁあってまだ二日だ、あまりあせるといい結果は出ない、魔術と同じだ とりあえず、図書館に行って恋愛について書かれた本でも探してみるとしよう ─────────────────────────────────────────────────────────── 消えない虹(新ろだ126) 消えない虹 一話 「レミィ、しばらく紅魔館を留守にするよ」 七曜の魔女。 知識と日陰の少女。 動かない大図書館。 パチュリー・ノーレッジは親友に対して、こう切り出した。 秋の永き夜。 陽もとっぷりと暮れ落ちて、吹きわたる風の冷たさが身に染みてくるころのこと。 ようやく起き出した紅魔館の主人、レミリア・スカーレットは友人の管理する(というか、住み着いている)大図書館へと顔を出していた。図書館とは言うものの、書庫にある本はまだまだ未整理のまま、乱雑に積み重ねられているだけだ。およそ百年という歳月を経て無尽蔵に集められた文物と、その時間に付随する、重苦しささえ感じられる埃と黴の匂いが支配するところ。気質的に夜と闇に属すレミリアでさえ、あまり寄りつくことはない。 しかし、今日はその珍しい訪問の日であったようだ。 「留守? どこか用事でもあるの?」 唐突なパチュリーの物言いに、レミリアは幼い眉を顰めながら問い返す。 当然の疑問だろう。 出不精という言葉で済まされるものか、パチュリーは十日くらい平気で図書館に籠りきりになる。さらには何か月単位で紅魔館の外に出ないこともざら、らしいと聞く。 会話を交わしながらも、吸血鬼の親友は長机に向って書き物をしたまま。厚い革表紙に幾つもの紋様が刻まれている。いわゆる魔導書の類らしい。そんなことを気にする様子もなく、レミリアは書物に埋もれた机の反対側に座る。彼女用の椅子は常備されていて、脚は高く背は低い。普通のものでは顔半分が机の上に出ないためだ。 待ち構えていたかのように差し出されるティーカップとソーサー。 瀟洒な従者はいつどんなときも、主の要望に応えることができる。次の瞬間には時を操りどこかへ居なくなっているが。 一呼吸。 紅色の液体を口に含んだところで、パチュリーが再び口を開く。 「用事……まあ、そんなとこかな」 「曖昧な答え方」 「そうかな? 外界に行ってみようかと思って」 この台詞に、聞いていた者たちは驚きを隠せない。呆けたような表情のまま、レミリアは固まっている。どうやらカリスマというものは何処かに忘れて来たらしい。 「驚いた。理由を聞いてもいい?」 ここ百年は友人やっている彼女が言うのだから、相当のことなのだろう。 「探したいものがあるのよ」 内容は曖昧に、しかしきっぱりと言い切った。羽ペンを滑らせていた手を止め、運命を見通すと言われる友人の瞳を見つめている。確かに答えは曖昧。曖昧だったが、魔術の詠唱をしているときのような確信と、弾幕を避けているときのような決断力を内包した言葉。深紅と紫紺の瞳が交錯している。 その間ほんの数秒の出来事だ。 先に視線を外したのは、驚いたことにレミリアだった。 二口目の紅茶を飲み込んだところで、 「行ってくるといい。ま、わざわざ私に許可なんて取らなくても良かったのに」 と、苦笑混じりで言う。 「ありがとう、レミィ」 反対にパチュリーは、明らかに緊張が解けている。どうやら彼女の中では大事なことだったらしい。しかし、目的をはぐらかしたことから、友人にも腹のうちを見せないつもりか。外界に行って何を探すつもりなのか、とんと見当がつかなかった。 「それで……外界に行くってのは、八雲紫がはじめた外界ツアーで行くんでしょ?」 「そういうことになるね」 いつのまにかパチュリーの手には新聞があった。 題字は『文々。新聞』だ。そこにはレミリアの言う、外界ツアーの記事が載っている。 掻い摘んで説明すると、神無月に神様たちが出雲大社へと里帰りする。そのとき幻想郷から出るのに、八雲紫の隙間を通じて行く。その隙間をほかの人妖たちにも開放して、一月だけの外界バカンスを楽しもう――というものだ。 「ってことは、外界に詳しい人物が必要じゃないの?」 そうだった。 流石に外の世界の常識を知らない奴らを、そのまま放りだすのは心もとない。何をやらかすか予想がつかないし。だから、現界に詳しい――外界から来た人間を付き添いとして連れて行かねばならないという条件があるのだ。 迷い人として幻想郷を訪れ、定住してしまった人間はそこそこ数がいる。大抵の者は、半人半獣のハクタク先生に斡旋されて、人里にて能力に似合った仕事についている。しかし、他に縁があって、博麗神社やら白玉楼やら永遠亭やら守矢神社やら地霊殿やらで暮らしている者も、僅かながら存在するのだ。例えばここ、紅魔館にも。 「ええ。だから、○○を連れていくわ」 パチュリーの隣でここ数日間に整理した蔵書の帳簿をつけていた、俺、こと○○は、紅魔館の大図書館にて司書と雑用を兼ねて、住み込みで働かせてもらっている。 「俺……ですか、パチュリーさん」 「あなたしかいないじゃない。外の世界に通じている人間なんて」 「確かにそうだけど」 いまの会話からもわかる通り、俺は外界の、生粋の人間だ。年齢は……まあ、二十歳前後とでもしておく。ここらに住んでいる連中から比べると、何の能力もない一般ピープルである。それで良かったとも思うが。どうして能力を持っている奴らは、こうも曲者揃いなのか。 ちょうど小悪魔さんが紅茶を運んできたので、俺たちも手を休めることにする。 「お疲れさまなのさ」 「ありがとう、小悪魔さん」 礼を言いつつ、一口目を啜る。琥珀色の液体が揺らめきならが口の中へ流れ込んでくる。ぴりりと引き締まった渋みを香りとともに楽しむ。埃っぽい仕事柄、時々の紅茶休憩は日課のようになっていた。 「咲夜も貴方たちの分まで紅茶の用意をしとけばいいのに」 「レミィが飲んでるのと同じのは、私たち飲めないわよ」 「それもそうね」 レミリアの飲んでいる紅茶は、人間の血を混ぜた特別製らしい。血が主食である吸血鬼だが、幻想郷内での吸血は基本的に禁じられている。外界の人間の血が提供されているようだ。最近では献血が盛んなので、昔より食料の補給は楽なのではないか。 「でも、この紅茶は美味しいわ。また腕を上げたわね、小悪魔」 「ありがとうございます、なのさ」 「俺もこっちに来てから、紅茶にハマったからなぁ……」 「そういえば、ここで働きだした頃は珈琲が欲しいって、いつも言ってたのさ」 俺が幻想郷に来た理由は、それほど難しいものではない。 実際のところ、ただの偶然だ。 七曜の魔女と言われるだけあって、パチュリーは七つの属性の精霊を使役した魔術を得意とする。普通は一つの属性の精霊を支配するので精いっぱいなのだが、彼女は同時に二つ以上の精霊を意のままに操ることができる。物凄い腕前らしいのだが、魔術そのものを理解できない俺にとってはよくわからんことだ。ただ、いつも図書館内で新魔術の開発と言う名目で、怪しい実験を繰り返しているのを見ると、努力家(ただの暇つぶしかもしれない)なのだろうということはわかる。 閑話休題。 そのときもパチュリーは新たな精霊召喚の魔術を試していた。同時に俺は、たまの休日を満喫していた……はずだった。激しい衝撃と眩暈とともに視界が暗転し、ここ、紅魔館大図書館の一角に転移させられるまでは。 要するに失敗である。術式の途中で召喚対象の設定を間違えたそうだが、未だに正確な理由はわかっていない。俺が選ばれる可能性なんて、それこそ天文学的な数字であろう。宝くじに当たったようなものだと、今では開き直っている。 「○○が来てからもう半年近くになるのね」 「初めの頃の狼狽ぶりからだと、見違えるわ」 「その話はやめてくれ。一般人がいきなりあんな状況になったらビビるだろ、普通」 突然わけのわからんところに連れて来られて、混乱しているわけで。目の前にはパジャマみたいな服を着た女の子が怪しげな呪文をもにゃもにゃ唱えてるし、その後ろには明らかに生モノの羽の生えた女の子もいる(今でもパチュリーの服装は魔女に見えない)。そりゃ腰くらい抜かしても仕方ないと思いませんか? 見かねた小悪魔さんが、この館の主に会わせてくれたと思ったら、見た目十歳くらいの幼女だし。吸血鬼だし。メイド長は人間だと聞いてたけど、どうみてもDIO様です本当にありがとうございました。むきゅ~。 「それで……他の外界の人間にアテがあるの?」 ああ、そういえば外界旅行の話でしたか。半年もこっちで暮らしてると、人里の方にも少しは知り合いがいるけど、そういうことができる人間はいない。 「うーん、ないなあ」 「あったとしても、見ず知らずの人間を連れて行くなんて嫌」 なら聞くなよ。まあ、赤の他人とは見られてないとわかっただけでも良しとしておこう。 「その程度には信用してくれてると?」 「そりゃあ……そうだけど」 だんだんと小さくなる語尾。旅行へ行くこと自体は良いのだが、本当は一人旅をしたくて、俺を連れていくのは嫌だとか? 俯いてしまったパチュリーの思考は、俺にはさっぱりわからない。 パチュリーが失敗の責任を取るという形で、レミリアは俺が紅魔館で働くことを許可してくれた。 最悪、食われるという結末も用意されていたのだから、かなりマシな結果だったろう。 幻想郷で生活することについて特に問題はなかった。向こうでは季節雇用の出稼ぎ労働者だったし、親しい身内や友人もいない。仕事して、仮住まいのアパートに戻って……というだけのモノトーンな生活である。 幻想郷に迷い込む中に、けっこうな数の自殺志願者がいるらしいが、流石にそこまでではないにしても、現実に希望を見出せないという点で俺も似たようなものだった。極端な話、働いてメシが食えればどこでもよかったのだ。だからかもしれないが、早くにこちらの気風に馴染めたんじゃないかと思う。 紅魔館は吸血鬼が住んでいることもあって、活動時間は夜に集中している。俺の主な仕事は、大図書館の蔵書整理と館内の雑用。他に力仕事があれば進んで受けることにしていた。働かないレミリアはともかく、パチュリーや咲夜さん、小悪魔さんは肉体的に女の子と変わりないわけで。男手は貴重な戦力になっているようだ。 そんなこんなであっという間に半年が過ぎ、春から秋へと季節はとめどなく流れていた。文明の利器のない生活にようやく慣れ、落ち付いて今後のことに思考が回るようになったころ、パチュリーの外界旅行の話が舞い込んできたのだった。 転機かな、と思う。ここらで一度、自分が生まれ育った世界を見つめなおしたい。いずれ向こうに戻るにせよ。こちらに居つくにせよ、いま俺がやっておかねばならないことのように思う。 パチュリーの沈黙に助け舟を出すようにして、 「これも――運命と思って諦めることね」 と、レミリアは言った。 獲物を狙う狼のような含み笑いを湛えての台詞。彼女がその言葉――運命――を口にすると、洒落にならない重みが加わるから困る。幻想郷を紅色の霧で覆った事件、それより前、紅魔館が幻想郷へ来たばかりの頃に起こした吸血鬼事変。二つの首謀者であるレミリアの能力とは、ありあまる力でも身体能力でもない。運命を操る――などという、わけのわからないものである。しかし、 「あんまり簡単に言わんで下さい。俺は運命って信じてないから」 何でも運命で片付けられたらやってられない。いまさら足掻いたって、どうにもならないこともある。既に起きた事実は変えられなくて、未来は変えられる。そこに至るまでの努力すら運命だと言うのなら、自分っていう存在はなんなのだろうか。 「そうかしら? 私には見えるわよ。数多の運命の糸が絡み合う世界が」 本当か? とは口にしない。言っても詮無いことだし、説明してもらって理解できるとも思わない。 「例えば……そうね、あんたたちの運命とか」 俺とパチュリーを見比べて言う。 「どういうことだ?」 「まんまの意味よ。あんたたちの辿るはずの数奇な運命――」 「やめてくれ」 「今回の外界旅行は――」 運命を未来の出来事だとするのなら、それは不躾なものだ。ましてや、それを操ることが出来るというのなら、押し付けがましいものでもある。出来るならば聞かせて欲しくない。 「レミィ」 と、パチュリーが静かな声で友人の言葉を遮る。珍しく棘があるように聞こえたのは気のせいだったろうか。俺としては有難かった。どうもこういう話は気に食わないようだ、理由はわからないが。 「○○も。レミィの能力は呼吸と同じように存在するもの。ある者はない者のことをわからないものよ」 思考を読んだかのような彼女の言葉。 当たり前だと思っていることで相手を不快にさせる。右と左を間違うくらいの確率で、ままあることだ。常識と常識のすれ違いといったところだろう。話してみなければわからないこともある。だから、別にレミリアのことが嫌いなわけじゃない、と、レミリアに視線を向けると、彼女も肩を竦めてみせた。 「話題が逸れちゃってたな」 「そうみたいね。パチェ、続きは?」 とパチュリーに視線が集まる。 「……そう、それで、○○はどうなのか。一緒に行ってくれるのかな? もしかしたら……外界に帰れるチャンスかもしれないよ」 うって変わって、風が囁くような声で言う。 パチュリーの意図が先ほどから掴めなくて困る。俺に対するときだけ弱気になっているようだ。それが何を意味するのか、わからない。 旅行については問題ない。喜んでついていくだろう。相方がパチュリーであることに戸惑いはあるが。 実のところ、普段の生活の場で、割と近くにいるはずなのに俺とパチュリーとの会話は殆ど無い。無限に知識を求める魔女――と聞いていたので、最初の頃は外界のことに聞かれるかと構えていたが、そんなことはなかった。仕事の場合も、必要最小限のことを指示するぐらいである。だからといって嫌われているわけでもなさそう。たまたま廊下で出くわしたときも、こちらから挨拶すれば目礼くらいは交わしてくれるし。レミリアに対する場合は別として、彼女は誰にもそんな感じの態度だから。 とはいうものの、こんな形でパチュリーに指名されるのは予想外だった。 他に外界出身で適任者が紅魔館にいないとはいえ、だ。 「うーむ」 どちらにせよ俺が頷かないと、この話は立ち消えになるわけで。わからない部分は、時間が解決してくれるさ、と自分を励ましておく。こいつらが本気になれば、意思など関係なく無理やりにでも良いのだ。そういうことはしない――緊急時じゃない限り――というのは経験上わかっている。だからこそ俺はこの場所に留まっているのだから。 それに、上目使いでこちらの様子を窺っているパチュリーの表情を見ると、ジェントルな俺は断れないじゃないか。 「仕方ないな」 小さく聞こえた溜息は安堵のものなのだろうか。パチュリーは、ほっとした様子で眉尻を下げ、木の芽が綻ぶような微笑みを見せてくれた。 それほどまでに外界に行きたい理由は何なのか。知りたいと思うが、聞いても語ってくれない気がする。あまりプライベートに立ち入るのは良くないとも思う。もし語れるような心境になったとしたら、自然と零れてくるものだろう、こういうことは。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 新ろだ198 どこまでも果てしなく広がる宇宙の姿が、丸窓の形に切り取られてロケットの壁に貼り付いている。 視界の半分を埋めるのは薄らと白く、優しくぼんやりと輝く青い星。 そこに住まう人々が名付けた数多の星座。尾を引いて飛んで行く彗星達。 自覚する。 夢を見ている。 頭に三角帽子を被って、お尻からコンロみたいな火を噴き続けている落書きロケットは、そんな自分を乗せて宇宙を飛び続けている。 不思議な、素敵な夢だ。 いっちょ前に備え付けられたコンピューターは静かな駆動音を響かせ、聞いたことも無い星系から発信しているらしいラジオは、緩やかな曲調の歌を流している。 そして、無重力に遊ばれてゆらゆらと部屋に浮かぶ、赤。 それをもっと良く見てみたくて、 手を―――― 「……」 「……おはよう」 寝息一つ立てずに椅子にもたれて、珍しく眠っていた魔女は全く唐突に目を覚ました。 そのまま無遠慮に目の前にある顔をしげしげと眺めて「カボチャ……では無かったわね」と呟いた。 これっぽっちも腑に落ちないが、酷く失礼な事を言われたのではなかろうか。 しかし、謀らずも勝手に寝顔を拝む形になっていた事に少なからず引け目を感じた○○はその不満を飲み込み、変わりに思った事を口に出すことにした。 「パチュリーが寝てるところなんて初めて見たな」 以前、魔法使いには睡眠は必要ないとか言っていたような気がする。 「最近忙しかったから、気分的にでも休養を取ってみたの」 パチュリーは眠たげな目をしたままぼんやりと答えた。ちなみに寝起きでなくとも彼女は普段から大体こんな目つきをしている。 「意味あるのか? それ」 「病は気から」 「確かに気合が不足してそうだな。慢性的に」 パチュリーはそれには答えずにテーブルの上の本に手を伸ばす。 ○○は、彼女がひとたび本に没頭しだすと完全に外界をシャットアウトしてしまうのを知っている。 「なぁ、忙しかったワケってさ」 「ロケット製作」 先に言われてしまった。 「門番から聞かなかった?」 「ワガママ君主と他数名で月旅行中らしいな」 聞きたいことはそれだけ? と、目が言っている。 窺うような視線を受けて、軽く息を吸ってから告げる。 「俺も行きたかった」 胡乱な瞳が僅かに揺れる。どうやらこの返答はそれなりに意外だったらしく、手の上の本を一時テーブルに戻してくれた。 「あなたが宇宙に興味を持っていたとは知らなかったわ」 男の子ですから。と返すと、何よそれ。と再びジト目で睨まれた。 「いつも土いじりの本ばかり借りて行くクセに」 「そっちは生活が懸かってるからな。いつも助かってるよ。ありがとう」 「私が書いた本じゃないし」 「拗ねるポイントはそこなのか」 ふと席を立ったかと思うと、彼女は近くの本棚から一冊の本を抜き出して戻ってきた。そして、そのまま手に持った本をこちらに差し出して一言だけ。 「はい、コレ」 「何だコレ」 渡された本は、やたら分厚いくせにその割に控えめな装丁を施された物だった。 「錬金術のハウツー本よ。書いたのは私」 脈絡が無い上に意味がわからないんですが。 「私が直接手渡しした時点で仕掛けは外れているから魔力の無い貴方でも問題なく読めるわ」 「はぁ」 「内容についてもヘルメス文書にも負けていないつもりよ」 「そうですか」 「宇宙に行きたいんでしょ?」 まさにその宇宙そのものを秘めているかのようなコスモ的な色の瞳でトツトツと語るパチュリー。さっきから微妙に話が通じていない気がする。誰か小悪魔を呼んできてくれ。 「錬金術の究極的な命題は魂の浄化にあると言えるわ。人の卑俗な魂を神霊のレベルにまで昇華させ、それによって遍く全ての物質を組成している第一質量を意のままに操ることができるようになる。つまり金の練成、万能薬の生成、生命の誕生、宇宙の創造すらも自らの手で実現する事が可能になる訳ね。そもそも宇宙というものを本質的な概念で捉えると」 俺の困惑なぞ知ったことかとばかりに頼もしくシカトをくれつつ、淀みなく長広舌をぶち続ける姿は、正直、かなりアレだ。 それでいて目線はしっかりこちらを捉えたまま動かないので冗談抜きで怖い。つうか持病の喘息はどうした。 「要するに、不完全を完全に。これを目指すのが錬金術なの。何か質問はある?」 これだけ熱弁を振るったにも関わらず、いたって涼しい顔をしている事についてこそツッコみたかったが、迂闊に口を開けば倍返し程度では済まなさそうなのでやめておいた。 目の前の何故か生き生きとした様子のパチュリーと、手元の本の表紙を交互に見つめて、軽く息を吐く。 「悪い。やっぱこの本、返すわ」 一瞬だけ翳ったその表情に、胸が痛む。 「そう。残念ね」 本を渡すと、既にいつもの眠そうな目つきに戻っていた。 「天地創造は俺にはちょっと荷が重い。おとなしく畑を耕してる方が性に合ってる」 床に置いていた鞄に手を突っ込んで収穫したばかりのトマトを取り出し、テーブルに置く。土産のつもりで持って来ていたのだがタイミングを逃してしまい、出しそびれてしまっていた。 突如として出現した赤い果実に、パチュリーの目が僅かに困惑の色を滲ませる。 元より月の石になんか興味は無かった。 月面に旗を立てて何かを主張したかった訳でも無い。 ただ、単純な理由だ。 「それにな、俺はパチュリーの造ったロケットに乗りたいんだ」 それだけの話だ。 机の上のトマトは、どこまでも普通のトマトだ。 赤くて、甘くて、少し酸っぱくて。 うちの畑で採れた、日の匂いのする宇宙のかけらだ。 トマトを見つめたまま動かないパチュリーが妙におかしくて、少し意地悪をしたくなった。 「どうぞ召し上がれ」 弾かれた様にトマトからこちらへ、またトマトへ。交互に視線を送るパチュリーを見て唇がつり上がるのを抑えきれない。 「あの、○○? ひょっとして」 「水洗いしてあるから大丈夫」 何が大丈夫なんだとはあえて言わない。 「……咲夜が帰ってきたらパイにしてもらいましょう。紅茶も淹れて。うん、そうしましょう。レミィも喜ぶわ」 「採れたてを食べるのが良いんじゃないか。五、六個持ってきたから、そっちを今度パイにしてもらえばいい」 「そもそも私、食事摂らなくても平気だし」 「好き嫌いは良くないな」 からかわれているのが分かっているのに無碍にも出来ないという内心の葛藤が手に取るように見えるので実に面白い。これはどっかの素兎でなくても「うささささ」と言いたくなるというものだ。 こっちがニヤニヤと笑っているのに気付くと、パチュリーは少しムッとして席を立ってしまった。 ちょっとやりすぎたか、と慌ててこっちも席を立とうとすると、パチュリーは難しい顔で眉をひそめたまま、ポツリと呟いた。 「本を戻しに行くだけだから。汁、飛んじゃうでしょ」 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/tohogyokureiki/pages/40.html
コダマ名 HP 攻撃 防御 速度 合計 属性1 属性2 攻撃属性 弱点 耐性 スキル 必要アイテム ちびパチェ 90 105 65 20 280 理 - 理炎水樹地鋼 虫霊闇 闘理 - パチュリーカード Dパチュリー 100 110 140 30 380 理 地 理地(炎水樹毒鋼) 水樹氷虫霊闇 雷闘毒理岩 動かない大図書館 守の霊珠 Aパチュリー 100 130 85 65 380 理 炎 理炎(水樹毒地鋼) 水地岩霊闇 樹闘鋼氷理炎然 動かない大図書館 力の霊珠 Nパチュリー 105 115 75 85 380 理 樹 理樹(炎水毒地鋼) 虫炎氷毒風霊闇 水雷樹闘地理 動かない大図書館 不偏の霊珠 Sパチュリー 95 105 80 100 380 理 水 理水(炎樹毒地鋼) 雷樹虫霊闇 炎水氷闘理鋼 動かない大図書館 疾風の霊珠 Pパチュリー 100 135 75 90 400 理 樹 理樹炎 虫炎氷毒風霊闇 水雷樹闘地理 動かない魔法少女 Pパチュリーカード ※青文字は属性一致、赤文字は重複弱点、緑文字は重複耐性、灰色は無効、(括弧内)はスキル効果あり #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 ちびパチェ Dパチュリー Aパチュリー Nパチュリー Sパチュリー Pパチュリー スキル 動かない大図書館 SLv×20%の確率で、スペルの威力が属性一致扱いになります。 動かない魔法少女 効果抜群の時、与えるダメージがSLv×6%増加します。 スペル スペル名 属性 威力 消費 詳細 必要銭 ちびパチェ Dパチュリー Aパチュリー Nパチュリー Sパチュリー Pパチュリー サイレントセレナ 理 80 20 通常攻撃(初期) 3000銭 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 賢者の石 理 100 30 通常攻撃 20000銭 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 理 120 40 自分の攻撃と防御と速度を10%上げます。 禁呪 - ○ ○ ○ ○ - ロイヤルダイアモンドリング 理 120 40 相手の防御を20%下げます。 100000銭 - - - - - ○ 理 150 50 相手の防御を30%下げます。 禁呪 - - - - - ○ シルフィホルン 樹 80 20 通常攻撃 3000銭 ○ ○ ○ ○ ○ ○ グリーンストーム 樹 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ ○ ○ ○ ○ フォトシンセシス 樹 - 0 味方全員のVPを50%回復します。 50000銭 - ○ ○ ○ ○ - サテライトヒマワリ 樹 120 40 通常攻撃 100000銭 - ○ - ○ - ○ 樹 120 40 与えたダメージの1/4、HPが回復します。 禁呪 - - - ○ - ○ マーキュリポイズン 毒 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ ○ ○ ○ - 毒 120 40 与えたダメージの1/8、相手のVPを減少させます。 禁呪 - - ○ - ○ - レイジィトリリトン 地 80 20 通常攻撃 3000銭 ○ ○ ○ ○ ○ - トリリトンシェイク 地 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ ○ ○ ○ - エメラルドメガロポリス 地 120 40 自分の防御を20%上げます。 100000銭 - ○ - ○ - - 地 150 50 自分の防御を30%上げます。 禁呪 - ○ - - - - メタルファティーグ 鋼 80 20 通常攻撃 3000銭 ○ ○ ○ ○ ○ - シルバードラゴン 鋼 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ ○ ○ ○ - エレメンタルハーベスター 鋼 120 40 相手の防御を20%下げます。 100000銭 - ○ - ○ - - 鋼 150 50 相手の防御を30%下げます。 禁呪 - - - ○ - - プリンセスウンディネ 水 80 20 通常攻撃 3000銭 ○ ○ ○ ○ ○ - ベリーインレイク 水 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ ○ ○ ○ - ノエキアンデリュージュ 水 120 40 相手の速度を20%下げます。 100000銭 - - - ○ ○ - 水 150 50 相手の速度を30%下げます。 禁呪 - - - ○ ○ - ジェリーフィッシュプリンセス 水 - 10 先行になります。3ターンの間、攻撃スペルのダメージを半減します。交代しても効果は継続します。 150000銭 - ○ ○ ○ ○ - アグニシャイン 炎 80 20 通常攻撃 3000銭 ○ ○ ○ ○ ○ ○ アグニレイディアンス 炎 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ ○ ○ ○ ○ セントエルモピラー 炎 120 40 通常攻撃 100000銭 - - ○ ○ - ○ 炎 120 40 与えたダメージの1/8、相手のVPを減少させます。 禁呪 - - ○ - - ○ ロイヤルフレア 炎 150 50 与えたダメージの1/6、相手のVPを減少させます。 300000銭 - - ○ ○ - - 炎 200 80 与えたダメージの1/6、相手のVPを減少させます。 禁呪 - - ○ - - - カード効果 アイテム名 装備時効果 契約コダマ 入手(金額) 備考 パチュリーカード 攻撃が30増加します。 ちびパチェ 中吉印の福袋・アイテムショップ(1000000銭) 11-7クリアでショップ追加 Pパチュリーカード VPと攻撃と防御が50増加します。 Pパチュリー PH4-7初クリア報酬 -
https://w.atwiki.jp/tamakagura/pages/167.html
コダマ名 HP 攻撃 防御 特攻 特防 速度 合計 属性1 属性2 攻撃属性 弱点 耐性 スキル1 スキル2 必要アイテム ちびパチェ 65 20 60 120 105 60 400 理 - 理炎水樹 虫霊闇 闘理 動かない大図書館 - パチュリーカード Nパチュリー 80 30 75 125 150 85 545 理 樹 理樹(炎水雷地) 虫炎氷毒風霊闇 水雷樹闘地理 動かない大図書館 火水木金土日月を操る程度の能力 霊珠 Aパチュリー 80 30 65 150 140 80 545 炎 水 炎水雷樹地 雷地岩 炎氷鋼虫 動かない大図書館 魔法を使う程度の能力 力の霊珠 Dパチュリー 100 30 110 120 155 30 545 地 雷 地雷炎水樹 水樹氷地 雷毒風岩鋼 動かない大図書館 魔法を使う程度の能力 守の霊珠 Tパチュリー 100 60 85 125 115 60 545 理 鋼 理鋼炎水樹地 炎地 毒理無樹氷風岩神鋼 動かない大図書館 魔法を使う程度の能力 技の霊珠 ※太文字のみは禁呪、青文字は属性一致、赤文字は重複弱点、緑文字は重複耐性、灰色は無効、(括弧内)はスキル効果あり ちびパチェ Nパチュリー Aパチュリー Dパチュリー Tパチュリー スキル 1.動かない大図書館(Lv25習得) 相手のスペルが急所に当りません。 2.火水木金土日月を操る程度の能力 全ての属性のスペルが属性一致扱いの威力になります。 2.魔法を使う程度の能力(Lv50習得) 特殊スペルでダメージを受けると、ダメージの1/8だけ自分のVPが回復します。 スペル スペル名 属性 分類 威力 命中 消費 詳細 ちびパチェ Nパチュリー Aパチュリー Dパチュリー Tパチュリー アグニシャイン 炎 特殊 70 100 5 20%の確率で、相手を火傷させます。 初期 初期 初期 初期 初期 プリンセスウンディネ 水 特殊 70 100 5 30%の確率で、相手の命中を1段階下げます。 15 15 15 15 15 シルフィホルン 樹 特殊 70 100 5 30%の確率で、相手の特攻を1段階下げます。 20 20 20 20 20 レイジィトリリトン 地 特殊 70 100 5 30%の確率で、相手の特防を1段階下げます。 - 30 30 30 30 メタルファティーグ 雷 特殊 70 100 5 30%の確率で、相手の速度を1段階下げます。 - 35 35 35 - サイレントセレナ 理 特殊 100 100 20 20%の確率で、相手を混乱させます。 レンタル限定 40 - - - サテライトヒマワリ 樹 特殊 100 100 20 数ターンの間、相手のHPとVPに継続してダメージを与えます。 - 60 - - - ロイヤルフレア 炎 特殊 100 100 20 20%の確率で、相手を火傷させます。 - 禁呪 - - - アグニレイディアンス 炎 特殊 100 100 20 20%の確率で、相手を火傷させます。 - - 40 - - ベリーインレイク 水 特殊 100 100 20 30%の確率で、相手の命中を1段階下げます。 - - 60 - - フロギスティックピラー 炎 特殊 120 100 40 20%の確率で、相手を火傷させます。 - - 禁呪 - - トリリトンシェイク 地 特殊 90 100 20 30%の確率で、相手の特防を1段階下げます。 - - - 40 - シルバードラゴン 雷 特殊 100 100 25 30%の確率で、相手の速度を1段階下げます。 - - - 60 - エメラルドメガリス 地 特殊 120 85 30 30%の確率で、相手の特防を1段階下げます。 - - - 禁呪 - サンシャインリフレクター 鋼 特殊 90 100 25 30%の確率で、自分の特防が1段階上がります。 - - - - 35 賢者の石 理 特殊 90 100 30 30%の確率で、自分の複数の能力が1段階上がります。 - - - - 40 ジェリーフィッシュプリンセス 水 変化 - - 20 先攻で使用します。使用時のVPにより、使用ターンのみ回避率が上昇します。(3/4以上:+1000、3/4未満:+2倍、1/2未満:+20) - - - - 60 フォトシンセシス 樹 変化 - - 0 味方全員のVPを30%回復します。 - - - - 禁呪 カード効果 アイテム名 装備時効果 契約コダマ 入手(金額) 備考 パチュリーカード 特殊スペルで与えるダメージが16%上昇します。 ちびパチェ 紅魔印の福袋美月堂(3,000,000)
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/122.html
■パチュリー3 紅魔館地下に設けられた書斎は、大量に収められた本の匂いで満たされている。 その中にたまに紛れ込むのは、紅茶の香りであったり、コーヒーの香りであったり、弾幕の衝撃であったり。 「うーん…………」 ぺらり、と音を立てて、新たなページが知識を運んでいく。 今日も今日とて、その書斎の主、パチュリーは調べ物に余念がない。 彼女が読む本に、ジャンルの壁などは存在しない。 魔女らしく魔術書を読むこともあれば、外界の歴史書や雑誌を読むことだってある。 だが、幻想郷に外界の本が来ることはごく稀で、当然ながら外界の知識は限られたものになってしまう。 最近彼女が求めているのは、とある外界の知識である。 「ねえ小悪魔。そっちは?」 「あまり、芳しくありません……」 普段は自分だけで読んでいる彼女だが、今日は小悪魔も動員しているようだ。 広い机の上には十数冊もの本が散らばり、後でこれを片付けることになるであろう小悪魔は、既にげんなりしていた。 「やっぱり向こう側の常識は、本に記されることが少ないのかしら?」 「パチュリー様。やっぱり○○さんに聞いてみれば……」 「何度も言っているでしょ。今回ばかりは、それじゃ駄目なのよ」 小悪魔の提案は、即座に却下された。 パチュリーの恋人である○○は、元は外界から来た人間である。 本ではどうしても調べられない知識は、彼に聞いて得ることが出来たのだ。 もちろん、彼が知っている範囲の知識に限られるのだが、外界の常識として浸透しているはずの知識なら、彼が知らないはずがない。 それでもパチュリーは、その方法を選ばなかった。 「内緒にしなきゃ……駄目なのよ」 夜の霧雨亭。 魔法の森の奥に建っているその家は、静かではあるのだが、その主に至ってはその限りではない。 それでも弟子を迎えてからは、以前に比べれば大人しくなった方である。 「そうだ、○○。ちょっと思い出したんだが」 「……師匠が言うと、とんでもなく不穏当に聞こえるんですけど」 そんな霧雨亭での夕食の席。 彼は魔理沙の茶碗にご飯をよそいながら、眉を寄せた。 魔法の稽古はつけてもらっているが、今の彼を見る限り、とても弟子には見えない。 エプロンと言う名の、薄いブルーの戦闘服に身を包み、頭には純白の三角巾。 それはまさに、家庭を預かる戦士の姿だった。 「おいおい、恐い顔するなって。 そんな顔してると、パチュリーに嫌われるぞ」 「……師匠。自分の胸に手を当てて、心辺りがないか思い返してみません?」 彼とて、伊達に長らく魔理沙の弟子をやっているわけではない。 彼女が切り出す話は、彼にとって危ない橋を渡らせる類のものであることが多かった。 もちろん、それは悪意あってのものではなく、結果が吉と出ることもあるのだ。 例えば、以前彼がパチュリーを紅魔館まで送って行った時のように……。 「もちろんないぜ。なんにもないからな。 大したことじゃないから、そんな顔しないでまず聞け」 「……それならいいんですけど。 なんにもないなら、話自体なかったことになりません?」 「師匠の教えは聞くもんだぜ」 一抹の不安を抱えながら、彼は魔理沙に茶碗を手渡し、向かいの席につく。 「お、ありがとな。んじゃ早速頂きます」 「師匠……話があるんじゃないんですか? あるなら、食べるか話すかどっちがでお願いします」 「面倒だから食べながら話すぜ。人の一生は短いんだ」 魔理沙の話を簡単に要約すると、休日をやると言うことだった。 魔理沙は久し振りに魔法薬の実験をやりたいのだが、危険性が高く、相当集中しなければならない。 そのため、家はなるべく静かな方が好ましく……。 「……つまり、ここ以外で時間を潰してろ、ってことですか」 「そんなところだぜ。 お前なら、迷わずパチュリーの所に行くんだろうけどな」 的を射た彼女の言葉に、彼はやっとのことで、 「べ、別に……いいじゃないですか」 とだけ返した。 「ああ、別にいいぜ。パチュリーもああ見えて、意外と寂しがりやだからな」 「そうねぇ。あの娘も最初は、対応こそツンツンしてたのに、今はもうすっかりあんな調子だしね」 そっぽを向く彼に、前と下から連携した冷やかしが飛ぶ。 視線を落とせば、彼の空っぽの茶碗から、顔だけにょきっと生えたスキマ妖怪が。 「○○。寂しがらせたなら、ちゃんと慰めてあげなさいな。 ああいった内気な娘は、少し強引に押し倒して……」 ぐわしっ!! 「まあ、師匠が昼夜抜く覚悟なら、俺は別に構いませんが」 「うわ、紫を手掴みか。やるようになったな、お前も」 茶碗から湧いて出た紫を、○○はアイアンクローで迎え撃つ。 「あらあら、あの娘に続いて私かしら?こういうのも『手が早い』って……」 ぎりぎりぎり……。 「お、おい。何か頭の形が変形してないか?」 「気のせいです」(キッパリ) 少し慌てた様子の魔理沙に、彼は動じる事なく断言する。 加えて、紫のことは完全に無視である。 以前なら律義に『口より先に手が出る、の間違いです』とでも返したものだが。 彼も慣れたということだろうか。 「ふふっ。その程度じゃ、まだまだ私は倒せないわよー♪」 「……藍の奴も、苦労してるんだろうな」 「そうですね。師匠に拾われて、本当に助かりました」 「あらあら。今度は魔理沙かしら? 全く、呆れるくらいのプレイボーイなんだから……」 ガタンっ!! 倒れる椅子には目もくれず、彼は立ち上がると近くの窓を開け放つ。 「あ、あら?」 「とりあえず……紫さん」 「私の魔砲で、白玉楼まで送ってやるぜっ!」 茶碗ごと、彼は全力投球で紫を夜空へ放り投げる。 そして―― 魔砲『ファイナルスパーク』 ――夜空を切り裂く光芒が、魔法の森の上空に弾けた。 恐れるべきは魔理沙の狙撃力か破壊力か、師弟のコンビネーションか。 夜空に向けられたはずの魔砲は、あまりの威力に森の一部も巻き込んで……。 「あれ、師匠。あっちって、アリスさんの工房じゃ……?」 「知らないぜ」 「……まあ、明日は俺もいませんし、何かあっても師匠の仕業ですから、いいんですけどね」 「ああ、飯の作り置きだけは頼むぜ」 「はいはい、了解了解」 ぺらりぺらりと、ページがめくられていく。 探しても探しても、目当ての知識は見つからない。 あるのは、断片的な情報ばかり。 それでも、その僅かな情報を手掛かりに、パチュリーは探し続けていた。 それは、甘い物だということ。 それは、黒い色をしていること。 それは、主に四角い形をしていること。 それは、砂糖や豆を材料にして作ること。 「……なるほど、ね」 パタン、と彼女は本を閉じる。 「見つかったんですか?」 「いいえ。でも、それが何を指しているのかは、やっと解ったわ。 これは多分、呼び方が変わっているだけで、私達がよく知っている物だったのよ」 小悪魔の問いに、自信を持って断言するパチュリー。 それなら後は片付けて、ゆっくり休もう……そう思っていた小悪魔に、パチュリーからメモが渡される。 「はい、これが材料よ。支度して厨房に行くから、先に集めておいてね」 「は、はいぃ……」 紅魔館の夜は長い。 未だ寒さの残る幻想郷の空には、煌々と輝く紅い月。 「月もこんなに紅いしね。今夜は、作るわよ……!」 (パチュリー様……そんなだから、お身体もよくならないんじゃ……?) 紅魔館は吸血鬼の治める館。 夜こそが、活動時間なのだ。 小悪魔が眠れるのは、まだ当分先の事になりそうである。 翌日、昼前の紅魔館―― 「…………」 彼は、言葉を失って立ち尽くしていた。 いつも見慣れた彼女の書斎が、今日ばかりは異空間に見えていたのだ。 小悪魔が頑張って整理し、魔理沙が荒らした後以外は、常に整然としている本棚が、所々乱雑になっていた。 それだけではない。 机には、栞がはさまったままの本が数冊、開きっぱなしの本が十数冊散らばっていた。 後者に関しては、パチュリーの性格からして、有り得ない状態である。 「参ったな……」 広い紅魔館内でも、ようやく迷わずに移動出来るようになり、先日から案内を断った矢先の出来事なのだ。 彼以外には誰もいない。 少なくとも、見える範囲にはであるが。 「あ、れ――?」 不意に訪れた既知感。 見慣れないはずの、この状況を知っているという、矛盾。 目を凝らしても、見えるものは変わらない。目を向けるべきは、彼が何故そう感じたか――。 (ああ――そうか) 彼は気付いた。 程度の差こそあれ、散らかった部屋なら、見慣れている。 魔理沙の蒐集物で圧迫された部屋も、またしかりである。 そして、そんな部屋に対して、彼がやるべきことと言えば、もはや1つしかない。 「……片付けよう」 原因が解った所で、現状が改善される訳ではない。 そんな理屈を抜きにして、まずは目の前の惨状をどうにかするべく、彼は手近な本を手に取る。 (これは……料理の本?それに、あっち側の……?) 幻想郷にある本と外界の本は、様々な違いがある。 紙質もその1つではあるが、外界の本は比較的カラフルである。 彼が手にした本も、そうだった。 机に散らばっている本も、見た感じでは、大低が外界の本らしい。 幸いにも、外界の本が纏められている本棚は、彼も知っていた。 小悪魔ほどの効率ではないにせよ、丁寧に確実に、あるべき場所へ納めていく。 そして彼は、いつもと違うもう一つの点に気付いた。 微かに感じる、甘い香り。 僅かではあるものの、紅茶やコーヒーなどとは違う風味。 「お菓子……かな」 何となくではあるが、彼はそう感じていた。 他ならともかく、紅魔館なら十分な材料があってもおかしくない。 だが、仮に今誰かが作っていたとしても、この場所までその香りが漂うとは考えにくい。 カチャリ。 彼が首を傾げると、答えはドアを開けて、自らやって来た。 「あ、○○……来てたのね」 「おはよう、パチェ。 勝手に片付けさせてもらってるよ」 近くのドアが開き、現れたパチュリーの手には、あまり見映えはよくないものの、一生懸命にラッピングされた箱が握られていた。 「で、この大きな箱は何なのよ?」 「あいつの作り置きだぜ。一人じゃこんなに食べ切れないからな」 正午過ぎの博霊神社。 珍しく手土産を持参した魔理沙は、縁側でそれを開ける。 中には、クッキーやら大福餅やら、茶菓子の類が所狭しと詰まっていた。 「彼の作り置き……ねぇ」 「以心伝心ってやつだろ。私の弟子なんだからな」 彼が作り過ぎたという可能性は、既に魔理沙の頭にはない。 師の気遣いは、しっかり弟子に気付かれていたのである。 霊夢は、箱の中に無造作に手を突っ込むと、苺大福を取り出した。 「パチュリーじゃなくて、魔理沙が相手だったら面倒がなくて済みそうよね。 ……あ、美味しい」 「よせやい。私はそんな目的で、あいつを拾った訳じゃないぜ。それに……」 大福を頬張る霊夢の横で、魔理沙は煎餅をかじり、空を見上げる。 珍しく晴れた、冬の幻想郷の青空は、彼女には少し眩しく映った。 「……端から見てて、やきもきすることもあるけどな。 あいつらが幸せそうに笑ってるの見ちまうと、割って入る気もなくなっちまうぜ」 帽子のつばを下げ、彼女はぐいと茶を煽る。燻した香りが目に染みた。 「まあ、魔理沙だしね。あんなに集めてるんだし、いずれ人まで拾うとは思ってたけど。 牡丹餅も美味しいわよ。食べる?」 「ああ、頂くぜ。残さず頂いてやるぜ」 「それじゃあ幽々子みたいじゃないの……って、言ってるそばから来そうよね」 茶菓子に限った話ではないが、食べ物が大量にある所に、冥界のフードファイターは現れる。 茶菓子は2人でも十分な量なのだが、幽々子の食欲の前には風前の灯だろう。 加えて、紫と組んでスキマを抜け、至る所に現れることまであるので、余計にタチが悪い。 「あいつが死んだら、幽々子の所で菓子職人になりそうだな」 「作るのは……桜餅かしらね」 「そうだな、私に似て和食派だし」 幻想郷の青空に1つ、星が流れる。 それを目にしたのは、霊夢だけだった。 「チョコレート、作ってみたんだけど……」 あらかた片付け終わり、一息ついた所でパチュリーは切り出した。 料理書を片手に、一晩中かかって作り上げたのだ。 もちろん一人で出来ない作業は、小悪魔にも若干手伝わせたものの、彼女自身に料理の心得はあまりない。 場慣れしていないせいもあるのだろう。差し出す彼女の白い手は、所々赤くなっている部分があった。 「確か、バレンタイン……って言うのよね」 「そうなんだけど……何だか、食べるのが勿体ない気がするよ」 世界的には、男性から女性へあげるケースが大半で、逆なのは日本くらい----。 思わずツッコミそうになるのを押さえ、彼は差し出された箱を見つめる。 向こうでも、ラッピングは人の手で行われているが、どれも見栄えよく画一的なものだ。 それに比べると、見劣りこそするものの、適度に崩れた部分が手作りであることを強く思わせる。 手の赤みもだが、書斎がこんなになるまで調べ、作ったことを考えれば、確かに食べてしまうことも躊躇われる。 「あまり、日保ちしないと思うわよ? その……出来れば、美味しいうちに食べて欲しいし、感想とかも……」 「そっか……それもそうだね」 食べて欲しいから作る。 これは、料理をする彼にも解る気持ちだ。 勿体ないからといって、駄目にしてしまっては、それこそ本末転倒だろう。 彼はパチュリーから箱を受け取り、もう一度しっかり見詰める。記憶に刻み込むように。 「術式展開スペルセット・対象解析アナライズ・接合解除リンクカット……」 テープの代わりに、魔力で接着されたラッピングを、一箇所ずつ丁寧に切り離していく。 全ての接着箇所を切り離すと、花が開くように、ふわりとラッピングがほどけた。 「綺麗だな……」 後に残るのは、シンプルな白い箱。 彼の隣で、パチュリーは固唾を飲んで見詰めている。 蓋を開ければ、甘い香りが周囲に溢れ出す。 (これは……) それは、彼がずっと感じていた香りである。その源が、パチュリーの渾身の一作なのだ。 「どう……?」 「よく出来てると思うよ。まあ、見た目はだけど……」 「……意地悪」 食べずに彼が言えるのはそれくらいなのだが、やはり彼の一言は余計だろう。 「味見はしたから、失敗じゃないとは思うわよ?」 「ごめんごめん。それじゃ頂きます」 怒ったようなパチュリーをかわして、彼は一切れ口に運んだ。 角を引っ込めたパチュリーは、黙って彼の反応を伺っている。 料理書を何度も確認しながら作り、何度も味見しているとはいえ、不安は拭えない。 念には念をということで、小悪魔やレミリアにも味見してもらったのだが、味覚というのは十人十色である。 それは、人も魔女も妖怪も悪魔も、変わりはない。 「……パチェ、そんな顔しなくていいよ。普通に美味しいから」 「ほ、本当?」 彼の言葉に、パチュリーは――珍しいことに――驚きの表情も隠すことなく、身を乗り出して尋ねた。 「自信持って。何なら、パチェも食べる?」 「う、ううん……貴方に食べて欲しくて作ったから、私はいいわ」 「でも、独り占めするのもちょっと……」 そう言って彼は、箱に視線を落とす。 次に彼が聞いた囁くような声は、とても近くから聞こえた。 「じゃあ……一口だけ、ね」 「え……?」 普段の彼ならば、咄嗟に反応することも出来ただろう。 だが、油断していたためか、安心しきっていたためか、彼は動くことさえも出来なかった。 それは、完全な不意打ちで、直撃だった。 零距離からの、恋の魔法―― 「ご……ごちそうさま」 どちらともなく身体を離した時、仕掛けた側も直撃した側も、顔を赤く染めていた。 結果を見れば、相打ちだろうか。 「……パチェの方が、美味しいな」 「馬鹿……チョコも、ちゃんと食べてよね」 「そりゃ食べるけどさ……」 彼が返す言葉は、少し歯切れが悪い。 言うべきか、言わざるべきか迷っていたのだ。 だが、根本的な間違いなら、やはり指摘するのは早い方がいい。 まだ顔は赤かったが、彼は意を決して、口を開いた。 「パチェ、チョコレートと羊羹は別な物だからね」 「え……チョコレートって、羊羹の別名じゃなかったの!?」 ―――後書きの原材料は、小豆と砂糖と、ほんの少しの糸寒天――― 性格も積極的な方ではなく、常に我が道を行く。ただ、好奇心は高く 知識に関しては積極的に取り入れる。全て本に依る物だが間違いも多い。 東方萃夢想の上海アリス通信、パチュリーの項目より抜粋。 つまり、知識に関してはパーフェクトだと思われがちなパチュリーも、実は間違った知識を? それがオチでもあり、今回の動機です。前の続きというか、補完も兼ねてますが。 バレンタインとチョコレートが、幻想郷行きになる日はいつになるんでしょうね。 530 ─────────────────────────────────────────────────────────── 今日も俺は図書館にやってきた。 外は雪がちらつく空模様。図書館の中もすこし肌寒い。 暖炉の近くの安楽椅子に深く腰掛け、読みかけの本を手に取る。 「今日も来たのね」 ――うん、いろいろと読んでみたい本が多いしね。 「好きにしていいとは言ったけど、来たなら一言あってもいいんじゃない?」 ――邪魔しちゃ悪いと思ってさ。 「気遣いするような性格じゃないでしょ」 ――確かにね。 パチェの手を引いて膝の上に座らせ、そのまま抱えるように抱き寄せる。 「ちょ、ちょっと!」 ――本の解説してほしいんだけど、寒いから風邪ひかせたくないし。 「こんな体勢じゃなくても解説するわよ。それに暖炉があるから大丈夫っ…」 ――パチェは温かいな。 「な、何を言って…」 ――この温かみを感じられる奴は幸せだな」 「………………ッ、(………貴方だけよ)」 パチンッ! パチェの呟きに暖炉の薪の爆ぜる音が被った。 ――もう一回。 「……聞こえてたくせに…」 うらめしそうな顔で睨んでくるパチェ。 今夜はまだまだ冷え込みそうだ。 3スレ目 383 ─────────────────────────────────────────────────────────── パチュリーの隣で、図書館の奥魔法の本を読んでいる。 借りていこうとして席を立つと、そっと袖を掴まれた。 「たまには……ここで読んでいかない?忙しいなら、無理にとは言わないけど………」 袖を引っ張っりつつ、向こうを向きながらもじもじしているパチェ。 3スレ目 461 ─────────────────────────────────────────────────────────── 読書中 「なあ」 「・・・・・・・・」(読書中) 「なあって」 「・・・・・・・・」(読書中) 「もしもーし」 「・・・・・・・何か用?」(顔を上げる) 「いや・・別に用事は無いけど」 「用が無いなら話しかけないで・・・・・」(読書に戻る) 一転してデレ状態 「なあ」 「・・・・・・・・」(読書中) 「なあって」 「・・・・・・・・」(読書中) 「もしもーし」 「・・・・・・・何か用?」(顔を上げる) 「いや・・別に用事は無いけど」 「・・・・・・・・・・・・そう」(読書に戻る) ああパチュリーに後ろ向いてから振り返りながら「大好き」って言わせてEEEE!! 3スレ目 844 ─────────────────────────────────────────────────────────── 時々騒がしくなるが、普段は薄暗く静かな図書館 俺がここに来てからかなりの月日が立っていた。 「なあ」 「なに?」 「俺がここに来てから結構立つよな」 「そうね」 「なんかお祝いみたいのってないのか?」 「ないわ」 「即答かよ・・・」 「必要ないもの。費用もかかるし、大体何に対して祝うのよ」 「俺が今まで幻想郷で生きてこれたことに対して」 「・・・まあ、確かに稀ではあるわね」 「じゃあさ、二人で祝わないか」 「・・・何で私なの」 「他に祝ってくれるような人がいるか?」 「その祝う人の中に私が入っているのが疑問なんだけど」 「まあ、それは捨て犬のような俺を拾ってくれたご主人様なわけだし」 「人間の使い魔を持った覚えはないわ。それに、あれは捨て犬じゃなくて半死体よ」 「・・・ところで、喋っている時ぐらい本から顔を上げないか?」 「必要ないわ」 「・・・外でピクニックなんかいいな」 「まだやるなんて言っていないわよ。それに如何してわざわざ外なんかに」 「普段、日陰にいるんだからたまにはいいだろ?それに日向に出ないと健康に悪いぞ」 「いいのよ、知識と日陰の少女だから。健康に関しては否定できないけど・・・」 「それなら丁度いいだろ。今やっている研究もないみたいだし」 「それはそうだけど・・・ 何で研究がないことを知っているの」 「いつも見ているからな。それに、ほとんど実験体のようなものだろ?俺」 「そう、そうね。 まあ、いいわ祝ってあげましょう。」 「おっし。じゃあ明日は・・・多分、というか絶対黒白が来るだろうから明後日だな。」 「そうね」 「弁当は任せておけ!今までで最高な物を作って見せる」 「それは楽しみね。あなたの料理美味しくて食べやすいから、でも普通私が祝うんじゃないの?」 「細かいことは気にしない!それと、あ~なんだ、その・・・ ピクニックのときに大事な話がある」 「大事な話?」 「ああ」 「そう・・・」 「・・・気に成らないのか」 「明後日になったら聞けるのでしょう?」 「そりゃ、まあ」 「だったら待っているわ。楽しみにしてね」 「そう、待っているわ。」 「貴方が言ってくれるまで、いつまでも いつまでも・・・ね」 薄暗く静かな図書館 されど少女の声は誰にも聞こえず、届かず・・・ ただ、少女の読んでいる本だけがそれを見ていた。 顔を朱に染めとても幸せそうに微笑んでいるその顔を・・・ 執筆、投稿ともに二回目!初執筆の物と似ているところが多いな~と自分で思うが 直せる腕がない罠!ただ、言えることは私の中のパチュはこんな子です。ということだけです。 ちなみに、料理の感想は実際の言われたことのある言葉です。作った相手は男だったけどね! 避難所 9 ─────────────────────────────────────────────────────────── ええと、効率よく仮眠をとる方法は……。 ――○○、ちょうどいい所に、ちょっとここに座って頂戴。 ……何で警戒してるのよ。失礼ね、実験なんかじゃないわ。 普通に座ってていいのよ。私の方じゃなくて、テーブルの方向いてて。 ……別に失礼でも何でもないから、気にしなくていいのよ。変な所で律義なんだから。 そうそう、そんな感じよ。後は動かないで、目を閉じて楽にしてなさい。 よい……しょっと。 ……緊張することないじゃない。心地いいんだから、誇ってもいいくらいよ。 そうね、レミィが起きる辺りに起こしてくれるかしら。 ――変な事、しないでよね。 …………。 ………。 ○○さん、何をなさってるんですか? 枕……ですか。 ふふ、やっぱり恥ずかしいですよね。 でも、パチュリー様がそんな風に甘えられるのって、○○さんくらいなんですよ? まぁ、甘えてるようには見えませんけど……素直じゃないんですよ。 ……ええ、それを聞いて安心しました。私は仕事が残ってますから、向こうにいますので。 ――あ、はい。そうですよね、毛布でしたらすぐお持ちします。 ない物はセルフで補給すればいいってことでパチェ分補給。 4スレ目 420 ─────────────────────────────────────────────────────────── ……そう言えば貴方、毎回どうやって入ってくるのよ。 逆立ちしたって、貴方じゃ小悪魔にも敵わないでしょう? はぁ……呆れたわね。そんな方法があったなんて。 ええと、それって何て言ったかしら……食糧責め? ……買収って、流石に言い方が悪くないかしら。 まあ、別に邪魔じゃないからいいけど。 でも、貴方も変わり者ね。わざわざこんな所まで来るなんて。 ……確かに本は沢山あるけど、それだけで来るような場所でもないでしょ。 ――本当に、それだけ? …………。 ………。 ――な、何?借りていくの? ……本の管理は小悪魔の仕事だから、一声掛ければ大丈夫よ。 貸出期限?……別に、ちゃんと返しに来るならせっかちなことは言わないわ。 ええ、それじゃ、またね。 …………はぁ。 最後のパチュリーのため息が誰に向けられたかで、脳内補完の方向が変わりそうですが。 4スレ目 616 ─────────────────────────────────────────────────────────── 怒ると危ないお嬢様とメイド長の人にやっと放してもらえた僕は、美鈴さんに会いたくて門に向かう 元の服に着替えたけど、メイド長の人に渡された鞄の中に巫女服とメイドさん達が着る服が入ってる メイドさん達が着ている服は返そうとしたら、メイド長の人がまた着させようとしたので受け取った 着ないのに、洗って美鈴さんから返してもらおう 「美鈴さん! 」 「あれ? 遅かったわね」 「あ、ごめんなさい」 「別に怒ってるわけじゃないんだけど、どうしたの? 」 僕は、何故か美鈴さんに聞いて欲しくてさっきまでの事を話した 美鈴さんは驚いたような顔をした後、苦笑しながら僕の頭をなでてくれた 「あちゃー、私の部屋に置いて行ったのは不味かったわね」 「えっと、その」 「それより、どうだった? 」 「え? 」 美鈴さんが、突然ニマニマと変な顔をして僕に聞く 僕の胸を軽く指で突付きながら、美鈴さんはムフフーと言う 「お嬢様と咲夜さん、あのお二人の事だから相当凄かったでしょう? 」 「あ、う」 「照れない照れない、それよりどんな風にしたの? やっぱり巫女服で? 」 美鈴さんの言葉に、僕は怒りを覚えた 何で? 理由は分からないけど、それしか思いつかないぐらい怒っていた 「美鈴さんの馬鹿ー! 」 「ほへ? 」 これ以上美鈴さんと話ていたくない 僕は美鈴さんから逃げる為に、出てきた館に逃げ込んだ 「はぁ」 僕は溜息を止めないで館の中を歩いている 美鈴さんに、馬鹿なんて言っちゃった それに時々立ち止まって後ろを振り返っても、美鈴さんは居ない やっぱり馬鹿なんて言ったから追いかけてくれなかったんだ 「うぅ」 何でだろう、涙が出てきた 涙が眼から零れ落ちようとしたとき、僕の視界に長くて紅い髪が眼に入る 「美鈴さん? 」 紅い髪が、一つの扉に吸い込まれるように消えるのを僕は呆然と見ていた 慌てて追いかける その扉に急いで僕も入ろうとしたら、扉を開けた途端に僕は暗い場所に吸い込まれた 吸い込まれる前に紅い髪の人が見えたけど、美鈴さんじゃなかった あぁ、僕は美鈴さんに謝らなきゃいけない 何も見えない暗い中、僕は柔らかい何かの上に落ちた 驚いて立ち上がっても、暗くてなにも見えない だけど本当に暗いわけでもなかった見たいで、眼が慣れてくると普通に見えるようになった 「むきゅー」 「うわ! 大丈夫ですか!? 」 多分、僕が落ちたときに下敷きにしてしまった人が倒れていた 倒れたままなのが心配になって上半身を起こしてみたけど、特に怪我は見当たらない事に安心する 少し顔色が悪いのは暗いからじゃないと思って、なんとか引き摺らないよう近くにあった椅子に座らせた でも、どうしよう? あたりを見渡しても誰もいないみたいで、本が一杯あることに僕は気づいた 「図書館、かな? 」 「う、うぅ」 気絶した人をどうすれば良いのか書いてある本を探しに行こうとしたら、下敷きにしてしまった人の眼が醒めたみたいだ 「痛い、ゴホッ」 「大丈夫ですか? 」 僕が話しかけると、その人が僕を見て急に苦しみ始めた 「うぅ、苦しい! 死んでしまう! 」 「えぇ!? ど、どうすれば!? 」 慌てる僕が誰か呼びに行こうとしたら、その人に腕を凄い力で掴まれた 「私を助けなさい! 」 「ど、どうすれば良いんですか!? 」 「これ、これをつけて! むしろ私がつける! 」 掴まれた腕を引っ張られて、その人に抱きかかえられた それで頭に変なのが乗せられた気がする 「えっと? 」 「後はコレとコレとコレ! 」 「うわぁ!? 」 その人は僕を凄い勢いで動かして、僕はそれに眼を回した 手と足に変なのがつけられた感じがする 「か、完璧よ。あぁ、なんて高い猫度なのかしら」 「猫度? 」 「見なさい」 その人が何処から取り出したのか、僕の全身が映るぐらい大きな鏡を目の前に置いた 其処に映っていた僕は、変な格好をしていた 手と変な手袋みたいなのをつけて、足にも似たような物をつけてる 頭の上に猫の耳と同じ形をした耳がつけられてる、意識してみると何でかピクピク動いた こんな変な格好をさせた人は、僕の方を見詰めながら元気そうにしてる さっきまで、苦しそうにしてなかったっけ? 「えっと、これは? 」 「最後は、これをつければ完成よ」 そう言ってその人は、先っぽに細長い棒の付いた猫の尻尾みたいのを持って僕をまた引っ張る 驚いている僕に(隙間による検閲が入りました。見るには『パチェ萌え』と絶叫してください 4スレ目 781 ─────────────────────────────────────────────────────────── 某国際展示場駅前で約4時間待ってる間に妄想してた恋愛シミュレーション的パチェ。 頭悪いが今更なのでキニシナイ。 「痛っ!」 「どうしたの?」 「本の金具で指切ったみたいだ。おーいてぇ」 血ぃ出てきたー、とぼやきながら切れた人差し指をパチュリーに見せる。 するとパチュリーは、 # 好感度16以上の場合 「そう。本が汚れてないなら良いわ」 と呟くと、読んでいた本に再び目を落とした。 # 好感度32以上の場合 「そう。そんなことで一々騒がないで」 と不機嫌そうに言うと、読んでいた本に再び目を落とした。 # 好感度48以上の場合 「そう。ほっとけば治るわ」 と言うと、読んでいた本に再び目を落とした。 # 好感度64以上の場合 「そう。大丈夫?」 と聞いてきた。 ああ、と返事をすると、そう、と一つうなずいて、読んでいた本に再び目を落とした。 # 好感度80以上の場合 「あら、大丈夫? 中には血を吸ったりする本もあるから、注意してね」 「レミリアみたいな本だな」 「違いないわね」 そう言ってクスッと笑うと、読んでいた本に再び目を落とした。 # 好感度96以上の場合 「大丈夫? すぐに手当てした方が良いわね小悪魔すぐに包帯持ってきて」 「や、そんなたいした傷じゃないんだけd 「えいっ」 ぐるぐるぐるぐるぐる 「ふぅ、これで安心ね。○○、怪我には気を付けなさいね」 「あ、ああ……ありがとう」 「うわ! ○○どうしたのその包帯? 骨折でもしたの?」 「……レミリアか。いや、指の先っちょ切っただけ」 「……怪我したのは頭なのかしら?」 「俺にも分からん」 # 好感度128の場合 「大丈夫? 治そうか?」 「ああ、ま、これくらないなら舐めてりゃ治るかな」 「ええっ!? あ、ああ、貴方が舐めるのね」 「? なんだと思ったんだ?」 「なななななんでもないっ! な、なんでもないわっ!」 顔を真っ赤にして手をわたわたとさせながら言うと、読んでいた本に顔を隠すかのように、ばばっとうずめ た。 (省略されました。小悪魔を登場させるには小悪魔合同誌のP126を踊りきってください) 4スレ目 915 ─────────────────────────────────────────────────────────── # パチェ好感度128かつ小悪魔イベントを二つ以上こなしている場合 「大丈夫!? 痛くない?」 「ああ、ま、これくらないなら舐めてりゃ治るかな」 「ええっ!? あ、ああ、貴方が舐めるのね」 「え…なんだと思ったんだ?」 「なななななんでもないっ! な、なんでもないわっ!」 顔を真っ赤にして手をわたわたとさせながら言うと、読んでいた本に顔を隠すかのように、ばばっとうずめた。 と、 「あら何でもないんですか? 残念ですぅ」 「うおっ、小悪魔!? どっから現れた?」 いきなり背後から声をかけられびっくりする。さすが紅魔館にいるだけあって神出鬼没な司書さんだ。 後ろから肩口を覗きこむように抱きつかれ、ケガした指を両手で包み込んでくれる。 「ふふっ、パチュリー様がやらないのでしたら私が代わりに舐めてさしあげましょうか?」 「ダッ!? ダメ! ダメよ! 何言ってるのよこの子!」 「あの。どゆこと? 何の話?」 一人話の流れについて行けてないぞ俺っ。 しかしそんな俺はステキにスルーされるのであった。おおっとルーミアくんのナイトバード! 「えぇ~、どうしてダメなんですかぁ?」 「ダメったらダメ! え~と、ほら、図書館倫理規定に引っかかってるからよ! 今作ったけど」 「図書館倫理規定の例外なんですよ」 「大体! そのっ…恥ずかしいじゃない!」 「あら、私は○○さん好きですから、恥ずかしくないですよ?」 んあ? 小悪魔さん? しかし瞬間、パチュリーの顔から色が消える。 「私もっ! 私だって、好きだったのに!!」 え、とその言葉の意味を理解するより速く、詠唱無しで撃たれた火の玉が足下に着弾していた。 巻き起こる爆風、烈風、熱風。 「小悪魔と○○の、莫迦ーーーーーーーッッッッッッ!!!」 ヽ/ ひぇぇ、と情けない悲鳴を上げる小悪魔もろともに吹き飛ばされる視界の隅で、 本棚の角を曲がって走り去るパチュリーの姿が見えた。 「……っ、パチュリーっ」 瞳を潤ませていたように見えたのは、気の所為では、きっと、ない。 「あいたたた…はぅぅ、ひ~ど~ぃ~」 「小悪魔」 煤を払って、立ち上がる。とたんに小悪魔が、げっとした表情に変わり、しりもちをついたままで手をすりあわせる。 「あ、あのあの、ごめんなさぁ~い。えーと、その、ちょっとしたアレのつもりだったんですけど……」 「行ってくる」 短く、しかしはっきりと。意志を込めた一言を告げる。それで、通じてくれる。 ぱぁ、と小悪魔の表情が明るくなる。 「はい! パチュリー様をよろしくお願いしますね!」 向日葵のような笑顔を背に受けて、パチュリーを追う。 もしあの笑顔が俺一人に向けられていたなら――また別の物語があったかもしれない。 そういう意味でも、ごめん、そしてありがとう。そう心の中で小悪魔に感謝しながら俺は本棚の谷を走った。 走り去ったパチェは驚くほどあっさりと見つかった。 と言うのも、本棚を二つ曲がったところで倒れていたからだ。 「パチュリー!? パチュリー! どうした、大丈夫か!?」 慌てて抱き起こすと、ゼィゼィと荒い呼吸を繰り返すパチュリーは 「ぜ、喘息が……ゲホゲホゲホッ、ハァ、ハァ」 ……ま、そりゃ普段運動しないわ魔法で移動するわのところをいきなり全力疾走すりゃあなぁ。 安心したような、気が抜けたような。 「ど……して…」 「え?」 「どう、して、来たの? 小悪魔の、こと、好きだっ、た、んじゃ、ケホッ、ないの?」 あーー。何か知らんが勘違いされっぱなしか。どう説明したものか。 俺は空いている方の手でぽりぽりと頬を掻くと、ぼんやりと見つめてくる滲んだ紫色の瞳を避けて視線を彷徨わせる。 ちょっと考えたが、口だけで説明するのも面倒だ。 体中を奮い立たせて一つ決心をすると、いまだに半開きでヒューヒューと音を立てて苦しそうに息を吐いているパチュリーの口に自分の唇をすっと重ねた。 「――――。!?!?!!?」 「うわ、ちょっ」 パチュリーは一瞬呆けた目をした後、俺の腕の中でバタバタと暴れだし、胸を突き飛ばして立ち上がる。 「パチュリー!」 がし! と、また逃げようとした肩をつかんで無理矢理振り向かせ、そのまま真っ直ぐにパチュリーを見つめる。 細い肩。細い身体。濡れた瞳。不安そうな眼。上気した頬。――俺が濡らした、形の良い唇。 「全てが――お前の全てが好きだッ! 小悪魔よりもずっとずっとお前の方が好きだッッッ!!!」 言った! 言い切った! と、つぅ、とパチュリーの頬を涙が伝ったかと思うとそのまましゃくり上げ始めた。 「…っっぐっ………っぇぐ…っく……」 「パチュリー……」 今さらじゃ、遅かった、の、か? 不安という耐えきれない重圧だけが襲いかかってくる。 「…がぃ、…って」 「え?」 「も゛っかい゛、言っ゛て…?」 後から思い出すに、このとき滑稽なほどぶんぶんとうなずいていた記憶がある。 「何回でも言う! 好きだ、パチュリー好きだ、大好きだ、誰よりも誰よりも誰よりも愛してる!」 パチュリーは。しばらくぼーっとしていたが、やがて うん、うん、と涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔をふっと笑顔に変えてうなずくと、胸の中に飛び込んできてくれた。 それを、壊れ物を扱うようにやさしく抱きしめる。体全体で、愛する人を感じる。 薬草の臭いがパチュリーを余計に近く感じる。 「ねぇ、もう一回。もう一回言って」 「好きだ。ずっとずっと、愛してる。きっと出会ったときから、愛してた」 「もう一回」 「いつでもどこにいても誰よりも愛してる」 「……ありがとう。 うん、ありがとう。 もう、口滑らせちゃったけど。あなたが好き。大好き。どんな本より愛してるわ」 潤んだ瞳が俺を見つめる。 そうして、ゆっくりと二人の唇と唇が距離を縮めてゆく。 一度目は、お姫様を解き放つキスだった。 「んっ……」 「あむっ……ん………」 二度目からは、ゆっくりと。お互いを感じ合うためのキス。 「ん…ぷはっ……あ…ねぇ、○○、もっと…もっとして……」 「うん、俺もしたい。ちゅ…ん…」 「うん…んぐ…ちゅっ……」 「んむ……むぁ……」 「はぁっ……んっ……ちゅろっ…」 「んぅっ!? …ん、ん。じゅろっ…………」 …………… ……… … 長い間、ずっとそうして二人でお互いを、そして幸せを感じあっていた。 「あ~あ。咲夜さぁん、見事に○○さんパチュリー様に取られちゃいました」 「奥手なパチュリー様を焚き付けて本音を引き出すきっかけを作る、かぁ。 何て言うのかしらこれ? 雨降って縁固まる、だったかしら」 くっくっ、と喉の奥で笑うと、まさに小悪魔、と呟いて二つ手を叩くメイド長。 円卓に置いた水晶で成り行きを見守っていた二人は、軽口をたたき合って紅茶のカップを一つ啜る。 「めでたしめでたし……と、言いたいところだけど」 「はい?」 「冗談っぽく言ってるけど。あなたも、結構本気で○○のこと好きだったんじゃないの?」 心の奥を見透かそうとするようなメイドの視線を受けて、もう一口、小悪魔は紅茶を口にして言った。 「咲夜さんは…レミリア様の幸せとご自分の幸せと、どちらを選ばれますか?」 「両方。私がお嬢様を幸せにして差し上げれば良いのですわ」 「こぁぁー、残念。その手がありましたねぇ」 「あなたぜんっぜん残念そうじゃないわね。むしろ幸せそう」 あついわぁ、と半分苦笑の半分あきれ顔になって手をぱたぱたと泳がせる。 きっともうすぐ二人で帰ってくるだろう。 今日も、そしてこれからも。笑顔で二人を「おかえりなさい」と迎える権利は自分にしかないのだと考えると、 小悪魔はとろけるような幸福感に満たされるのだった。 パチュリーGoodエンド01 (お読み頂きありがとうございました。もし“別の物語”も読んでやろうという方は花映塚MatchLunaで3分間粘って下さい) 4スレ目 948(うpろだ 0050)
https://w.atwiki.jp/yukaihan/pages/30.html
職業データ パチュリー 「宮古芳香」をマスター 「火水木金土日月を操る程度の能力」をダーマ神殿にて使用。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 HP MP AT DF AG 3 5 3 4 3 備考 ・来ました四面職。そこそこ強いかも?・動かない大図書館。 習得スキル 名前 習得SP 消費MP 攻撃側/防御側 備考 水&火符「フロギスティックレイン」 500 200 HP回復 無し 月&木符「サテライトヒマワリ」 1000 800 回数攻撃 無し 日&月符「ロイヤルダイアモンドリング」 1500 250 かき消し+MP回復 無し 日&水符「ハイドロジェナスプロミネンス」 2000 200 蘇生 無し 火水木金土符「賢者の石」 2500 1200 めちゃくちゃ凄そうな回数攻撃 どのくらい凄いかって?自分で確かめようっ! 蘇生があって回数攻撃があって回復もあるから、優秀だと思う。
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/607.html
パチュリー10 うpろだ321 私は小悪魔です。名前はまだパチュリー様がつけて下さいません。 ある日突然パチュリー様の魔法で呼び出され、それ以来従者としてこの図書館の司書をしております。 パチュリー様は本を読む、書く、喘息で寝込む、の三パターンの生活と、時たまやってくる侵入者の撃退、あるいは敗退を繰り返すというような、 平穏な日常を過ごしておりました。 蔵書の数はパチュリー様が飽きもせずに執筆されますので、一時期は本棚が足りなくなりそうで図書館の増築を具申しようと思っておりましたが、 ある日から突然本の数が減るようになりまして、本棚のこと”だけ”は心配をせずに済むようになりました。 ただ生傷の発生する可能性が今までより150%増えました。つまり侵入者が来て負傷してさらに負傷する確率が50%ということです。 ですのでパチュリー様に新たに魔法を教えてもらおうと貴重な時間を割いて頂ける様考えておりました矢先のことでした。 「あらパチェ? 今日は踊り食い? 貴方にしては珍しくアクティブね。それとも生贄かしら?」 紅魔館の主人であるレミリア様です。ちなみに一言も冗談をおっしゃられてません。 「いいえレミィ、残念だけど命の恩人って奴だから、しばらくココで住まわせてもらってもいいかしら?」 「……珍しいこともあったものね、明日は紅魔館に槍が降るんじゃない?」 「槍で済めばいいけどね」 どうやらパチュリー様が何の間違いか人間に助けられ、その人間をここに連れてきて、しばらく紅魔館に住ませたい、とおっしゃっている様です。 ……レミリア様は特に反対という訳では無さそうでしたが、あまりいいと言う風でもありませんでした。 メイド長の咲夜様は何もおっしゃられません。フラン様はまだこの人間のことをご存知ありません。 話を立ち聞きしていたのですが、どうやらパチュリー様と件の人間がこちらに向かって来そうでしたので、慌てて仕事に勤しんでいるフリをしました。 連れてきた人間はたまに見る幻想郷の人間よりもひ弱そうで、しいて言えば肉が柔らかそう、といった印象でした。 「そう、そこの椅子に下ろして頂戴、後は大丈夫だから」 パチュリー様はどうやらひどい喘息の発作に襲われたらしく、息も絶え絶えなご様子でした。 人間の方も先ほどのレミリア様のおっしゃっていたことが堪えたようで、こちらも青ざめていました。 「ほ、本当に大丈夫かい? さっきは……」 「それ以上口にしたら本当に食べるわよ」 パチュリー様の一言が効いたようでそれから人間は黙ったままでした。 喘息の発作がひどいようでしたので、いつも通り私は薬茶を、そして客人には普通の紅茶を出しました。 パチュリー様はいつも通りに飲まれていましたが、人間の方は紅茶をじっと見つめ、手を出せない様子でした。 ……毒は入れていませんよ、あと血も……。ちなみに紅茶はベノアです。どこかのフランス語教諭みたいな名前ですが関係ないそうです。 あと電車とかの単語をイメージされた方は私と弾幕ごっこをしましょう、ね。今日はたまたまそれがあったから使ったということです。 「大丈夫、毒とかは入ってないわ」 パチュリー様も私と同じことを考えられたようで、微笑みながら紅茶を勧めます。 というかホストに対して失礼極まり無い男ですね、この人間。パチュリー様がいらっしゃらなければマルカジリにしてたところです。 「そ、そうかい、じゃぁ……」 紅茶を口にした途端、男の表情が緩みました。どうやら紅茶の味は分かるようです。少し印象が良くなりました。 「お、おいしいねこれ」 「そう言ってもらえると嬉しいわ」 何か妖しい微笑みです。ああいった顔をされた時は十中十九は良いことを考えておられません。悪い目に合うのが九割ということですよ。 それから二人は取りとめもなくお話をされていました。パチュリー様の喘息も調子が良くなったみたいです。 小耳に挟んだ限りでは男は○○という名前で、車(馬車のことでしょうか?)に乗ってトンネルの中を歩いてみていたらいつの間にか 館近くの湖に来ていたらしいのです。そこで行き倒れておられたパチュリー様をお助けになったようです。 非常に気になる点がありますが、何はともあれ、パチュリー様がご無事でよかったと思います。 夜が明けてきましたので、私はパチュリー様の寝台と、最近とみに使われることの多くなった来客用の寝台の準備をしました。 パチュリー様は普段はお眠りにならなくても平気なのですが、喘息の発作がひどい日には眠られることもございますので、 念のため今日は準備をしておきました。 ……準備をしておいて良かったと思います。パチュリー様は予想通り今日はお眠りになられるようでした。 日がそろそろ上がりそうでしたので、私は○○を来客用の部屋に案内しました。 何か包丁とかヤマンバとかブツブツ言ってましたが、特に気にすることなくお通ししました。 今日はそれ以外は特筆すべきこともなく、私も自分の寝床に入って休みました。 日が傾きかけた頃、私の生傷のおおよそ90%を生成する黒白魔法使いがやってきました。 私はいつもの通りにスペルカードを用意し、そしていつものようにまた生傷を作りながら負けるのでした。 やはりパチュリー様に魔法を教えてもらった方が賢明だ、と考えております。昨日あの○○が来なければ多少はマシだったのかもしれません。 「パチュリー、今日も本を借りにきたぜ!!」 「図書館の貸し出し期限は2週間って学校で教わらなかったのかしらね」 「生憎学校にゃ行ってないぜ」 「じゃ私が直々に教えてあげるわ!! 延滞分も含めてね!!」 そしていつも通りに弾幕……、と思いましたが、今日は違いました。 何とあの○○が二人の間に入って止めようとしていたのです。 ……最近の人間は魔法使いを恐れないのが仕様なのでしょうか、弾幕ごっことはいえ、間に入れば確実に消滅するというのに。 その気迫、あるいは無謀に驚いたのか二人ともスペルカードを展開することはありませんでした。 そしてその後……、 「じゃぁ君は人の本を勝手に拝借して、しかも返さないのか」 「死ぬまで借りてるだけだぜ」 な、なんと黒白に説教を始めたようです。信じられません。私の短い人生の間でもこれは間違いなく珍しいことです。 「君はそれでいいだろうが、本を勝手に借りられた挙句あらされる身にもなってみなさい」 「……」 しかも黒白は説教を受け入れている……。あぁ私は今何という光景を目にしているのでしょうか、神々しくさえ見えます。 あ、今の悪魔の言うことじゃないですね、とにかく、その冗談のような風景に私も、パチュリー様でさえ目を白黒させるだけでした。 「……ぜ」 黒白が観念したかのように何かを言っています。まさか……。 「すまなかったぜ……」 あぁ私は今ななな何を言っているのか理解でききました。あああああの黒白がああああああ謝っています。 パチュリー様も今にも倒れそうな顔をされています。今の光景は間違いなく二度とありえないことでしょう……。 「じゃぁ、今日は本を読ませてもらうだけだぜ」 黒白は観念して、いくつかの本を選び出し、それをもって私たちからは見えない席へと持って行きました。 私はまた何か悪いことをたくらんでいると思い、こっそり気配を消して黒白のいるところへ向かいました……。 「全く、何で香霖みたいな奴がこんなとこにいるんだよ……」 何かブツブツ言っています。が私はそんなことよりも私は黒白のやっていることがあまりに意外で驚いたのです。 「香霖、というよりはおや……、いや違う違う。ありえないぜ……」 ブツブツ言いながら黒白は何と……、筆写を行っていたのでした、しかもかなり真剣に。 いつもなら本を抱えて壁を壊して逃げるところでしたでしょうが、今日は何故か本当に大人しいのです。まるで借りてきた式の式です。 私は急いでパチュリー様の元へこのことを報告に参りました。 私の報告を聞いてパチュリー様は卒倒しました。○○が慌ててパチュリー様の体を支えます。 私はパチュリー様の寝室へ○○を案内しました。その間○○はパチュリー様を抱えて来ました。 ひ弱そうだったのに案外力があるものだ、と思いながら中へと通し、寝台を指しました。 ○○はパチュリー様を寝台へと寝かし、何とそのまま寝台の横へと椅子を持ってきて座りました。 横に座っているだけで何もできないのに変わったことをすると思いましたが、言っても無駄そうでしたのでそのままにして私は仕事に戻りました。 夜が更けたころ、疲れきった様子で黒白は帰りました。ちなみに一冊も本は持っていません。 「邪魔したぜ……、いずれ返しに来る」 私はその内容に驚きましたが、黒白はいたって普通の顔つきでした。 そして空へと消えました。 魔女がまっとうになる……、私は何やら不吉なことを感じつつも、悩んでも仕方ないのでまた仕事に戻りました。 パチュリー様はあれからお目覚めになられまして、またいつもの通りに本を読んでいます。 ○○は、というとまた彼も本を読んでいます。ちらっと見たところ外から来た魔法書でした。 私でもあれは読めないのに……、と思っておりましたが、もしかすると彼は外の世界の魔法使いなのかもしれません。 魔法使い、となると相当厄介なことになりました。しかも今日のこともありましたので倍率ドン!さらに倍といったところです。 パチュリー様もそれをご理解しているようで本を読まれてはいましたが、どうやら気が気でないようです。 当の○○はというと至って普通な様子でした。それが却って私には恐ろしく感じられました。 フラン様と対峙する時も似たような感じです。全てを握られているというのは心地よいものではありません。 何 故 な ら、 パ チ ュ リ ー 様 は ま だ 対 価 を 支 払 っ て い ま せ ん、 命 を 救 わ れ た 対 価 を ……。 「あ、貴方は私に一体何を望むのです……?」 「……?」 とうとう堪えきれなくなったパチュリー様が○○に問いただします。 ○○はというと、何を言っているのか理解できないようでした、どうやら外の魔法使い達の間では契約というものも廃れている、 と思いたいところでした……。 「そうだなぁ……、じゃあこれを機にお付き合い、というのはどうだろう?」 私は目の前が真っ暗になりました、パチュリー様がに、人間なぞとおお付き合いをせねばならないなんて……!! 「……」 事態を理解したパチュリー様は顔面蒼白でした。 「あ、ごめんごめん本気に……」 「りょ、了解しました」 契約成立です。あはははは……。 「え、あ……」 「……」 人間、貴様何をしたか分かっているのだろうな……。 最 早 パ チ ュ リ ー 様 は 貴 様 を 全 身 全 霊 で 愛 す る し か で き な い の で す ……!! そう、私がパチュリー様に仕えるように……。 過去のことを嘆いていては仕方有りません。 そう、パチュリー様が契約に縛られていようが、私の主であることに変わりはありません。 パチュリー様も同じお考えのようで、結ばれてしまった契約に従い、○○に対して最大限好意的に振舞います。 どうやら○○は魔法に対して強く興味を持ったようで、パチュリー様に手ほどきを受けています。 救いは彼の理解が早かったということでしょうか、やはり彼は外の世界の魔法使いのようです。 (やはり紅茶に毒を入れておけばよかった……) 私の痛恨のミスでした。人間なぞ生かしておいてもロクなことがありません。 ですが今となってはもうあまりにも遅すぎるのでした。 契約に縛られたパチュリー様はもし○○を殺せば間違いなく私を殺すでしょう。 それだけではありません、私はパチュリー様に仕えなければならないという契約を反故にしてしまうことになります。 契約を守らなかった悪魔は……、この先は想像もしたくありません。 パチュリー様の方は……、契約に縛られているせいか彼を愛するのが当然といった感じです。 最早契約のことなども忘れ、彼を本気で愛しているのでしょう。魔法の手ほどきが本当に楽しそうです。 私にできることはと言えば……。 翌日、パチュリー様と○○はどこかへおでかけになりました。 帰ってくると何故か大量の本を持って帰ってきました。おそらくは黒白の家から取り返してきたのでしょう。 何故か黒白は○○のことが苦手のようです。何故かは分かりませんが。 翌々日、パチュリー様と○○はまたどこかへおでかけになりました。 パチュリー様はとても楽しそうです。○○もまんざらでもないという様子でした。 私めができることは少ないですが、それでもパチュリー様の幸せに協力することはできます。 私はそれをするだけのことです。 例えばおいしい紅茶をお入れするとか、○○にも理解できるような魔道書を見繕うとか。 後は万が一フラン様に出会ってしまった場合の対策をお伝えする、といったことでしょうか。 主が一人増えただけ、と考えれば今までとそう変わりはしない生活です。 そういえば一つ変化がありました、何とパチュリー様が私めに名前を下さるとのことです。 何でも○○が呼びにくいから、という理由だそうですが……。 名前がつく理由は引っかかりますが、パチュリ-様から名前をいただくという名誉の前にはそのようなことも小さなことです。 私の新たな生活がこれから始まろうとしています。 その生活を生み出すきっかけを作ってくれた○○には少しは感謝してもいいかもしれません。 ですので、不本意ながら私めも、一つだけ願わせて頂きます。 パ チ ュ リ ー 様、 ○ ○ 様、 ど う か 、 お 幸 せ に ……。 私の語りはこれで終了です、この先は○○、つまり貴方の妄想次第。 どうぞパチュリー様を死ぬほど愛してください。私もそれに一生付いていく所存です。
https://w.atwiki.jp/tamakagura_battle/pages/286.html
Dパチュリー タイプ:地/雷 スキル1.動かない大図書館 相手のスペルが急所に当りません。 スキル2.魔法を使う程度の能力 特殊スペルでダメージを受けると、ダメージの1/8だけ自分のVPが回復します。 重複弱点(3倍): 弱点(2倍):樹/地/水/氷 抵抗(1/2倍):毒/風/岩/鋼 重複抵抗(1/3倍): 無効:雷 種族値・同タイプ比較 地/闘 HP 攻撃 防御 特攻 特防 速度 合計 Dパチュリー 100 30 110 120 155 30 545 大ナマズ 160 105 85 105 75 30 560 がぶりあす 105 110 90 75 80 100 560 スペル スペル名 属性 分類 威力 命中 消費 詳細 備考 アグニシャイン 炎 特殊 70 100 5 プリンセスウンディネ 水 特殊 70 100 5 シルフィンホルン 樹 特殊 70 100 5 レイジィトリリトン 地 特殊 70 100 5 メタルティファーグ 雷 特殊 70 100 5 トリリトンシェイク 地 特殊 90 100 20 シルバードラゴン 雷 特殊 100 100 25 エメラルドガリス 地 特殊 120 85 30 基本評価 同タイプの大ナマズ、がぶりあすと比べて防御、特攻、特防に優れるわ。 耐5弱4とまぁまぁ。 また攻撃属性が五つあるから弱点を取りやすく、攻防ともに揃っているわね。 ただし、速度30と鈍足だから殴り合いにおいて大分不利な面もある。 差別化 がぶりあす 分類が違うが、向こうの方が素早く扱いやすい。 先制技や威力の高い水サブも備え、実際にがぶりあすと戦うとDパチュリーに勝ち目はないのよね。 豊富は攻撃範囲と優れる耐久で差別化を測りたいわ。 大ナマズ HP160と耐久やAC共に105など役割が大体被っているわ、 状態異常無効で安定性も高く、フルアタ構成のDパチュリーと違って回避や積みなど器用。 豊富な攻撃範囲、そしてC120であることを生かしたい。 運用方法 攻撃範囲とC120を生かす為、あまり耐久にBPを割けないわ。 よって有利な相手への受けだしを狙っていく形になるわね。弱点は4つあるので注意。 そして相手の交換先に有利な技を繰り出していくスタイルが中心。 パーティ構成はパチュリーの攻撃が聞きづらい神地や無、闘、悪、理などの等倍だが特防の高いコダマも辛い。 ADチルノやS幻月など先発コダマとして優秀な氷コダマの後ろに控えているのが使いやすいわ。 鈍足なのでトリル下において活躍する。 相性の良いA咲夜に白羽の矢が立つかしら。さくやー。 BP振り B64C64 or H31B33C64 (H…HP、B…防御、C…特攻 防御には64振っても特防には届かないけど、元々B110あるので33でも充分。 HPに31を振ってナイへ対策をするかどうか、BC64の方が硬くなるが大きい差がつくわけではないが、受けだしの役割を担っているので微妙。 装備候補 火力強化c 攻撃による大きな負担をかけるために。 フランc:火力強化Cの派生、これを装備するならトリリトンシェイクよりレイジィトリリトンの方が低燃費で高威力になる。 聖c:受けだしを役割に持っているので耐久強化として。 コメント欄 名前
https://w.atwiki.jp/star247/pages/19.html
パチュリー・ノーレッジ 絵師 ふみつき ストック 1 ゲージ速度 遅い 発動タイミング 自摸時 効果 発動した局の間、字牌をツモりにくくする。 使いやすさ★★★☆☆ コメント 局の間持続する性質を考えて、鳴き、染め手で勝負できないと考えた時に1巡目で発動するか、 または聴牌時に1回でも自ツモで有効牌を引きたい時に使用するか。など臨機応変に使用可能。 ただし前者の使い方は他家聴牌時の安全牌選択を狭める可能性があり 後者は他家に字牌が安全牌ということを悟らせる結果となる。一長一短。 だがこれを逆手に取り、字牌待ちにしてツモを捨ててロンを取る戦法もある。(地霊殿で有効) パチェが字牌を引かない分、その風牌は他家に降りかかる。 またツモりにくくなるだけなのでたまに字牌をツモる。 言うまでもなくフランドールや布都等の援護になるので場合によっては使用を控えよう。